滝上(たきのうえ)町出身の姉妹、扇みなみ氏と井上愛美氏がUターンして起業したCasochi(カソチ)合同会社。人口約2500人の小さな町で、過疎地ならではの暮らしの魅力を再評価しようと試みる。拠点となる火・水曜営業のカフェ「KARSUI(カースイ)」は人を集め、仕事を掘り起こす場となっている。
扇みなみ氏、井上愛美氏の姉妹はそれぞれ横浜、札幌の大学を卒業後、北海道滝上町にUターンした。2人の実家は滝上町で井上牧場を営む。同町のような過疎地は人が少ないからこそ、顔の見える人間関係があり、安心して暮らせるうえ、自分らしい生活もできる。さらに、豊かな自然や文化、食が身近にあふれている。
過疎地というと一般的にはマイナスのイメージがあるが、それをデザインの力で少しずつ変えていきたいという思いから、2016年にCasochi合同会社を立ち上げた。Casochiというネーミングには、過疎地をもっと身近に感じてほしいという願いが込められている。
商品開発、ウェブや発行物など情報コンテンツの企画・制作、地元企業や観光事業の広報支援、イベント企画を通じて、過疎地のブランディングに取り組む。Casochi事業の一環として19年4月に開業したカフェ「KARSUI」には、姉妹の熱意に引かれた人が集まり、仕事を掘り起こす場になっている〔写真1、2〕。
