全4165文字
PR

滝上(たきのうえ)町出身の姉妹、扇みなみ氏と井上愛美氏がUターンして起業したCasochi(カソチ)合同会社。人口約2500人の小さな町で、過疎地ならではの暮らしの魅力を再評価しようと試みる。拠点となる火・水曜営業のカフェ「KARSUI(カースイ)」は人を集め、仕事を掘り起こす場となっている。

 扇みなみ氏、井上愛美氏の姉妹はそれぞれ横浜、札幌の大学を卒業後、北海道滝上町にUターンした。2人の実家は滝上町で井上牧場を営む。同町のような過疎地は人が少ないからこそ、顔の見える人間関係があり、安心して暮らせるうえ、自分らしい生活もできる。さらに、豊かな自然や文化、食が身近にあふれている。

 過疎地というと一般的にはマイナスのイメージがあるが、それをデザインの力で少しずつ変えていきたいという思いから、2016年にCasochi合同会社を立ち上げた。Casochiというネーミングには、過疎地をもっと身近に感じてほしいという願いが込められている。

 商品開発、ウェブや発行物など情報コンテンツの企画・制作、地元企業や観光事業の広報支援、イベント企画を通じて、過疎地のブランディングに取り組む。Casochi事業の一環として19年4月に開業したカフェ「KARSUI」には、姉妹の熱意に引かれた人が集まり、仕事を掘り起こす場になっている〔写真12〕。

〔写真1〕旧喫茶店の雰囲気をアップデート
〔写真1〕旧喫茶店の雰囲気をアップデート
背の低い木調の家具類をそろえ、温かな雰囲気で一体感がある店内。地域の関係者によるDIYでオープンした(写真:安富 啓、佐藤 将之、馬場 義徳)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真2〕商品開発などでブランディング
〔写真2〕商品開発などでブランディング
Casochiが手掛けた商品開発やパッケージデザイン、町内観光スポットマップ(写真:Casochi)
[画像のクリックで拡大表示]
扇 みなみ氏(姉/左) 井上 愛美氏(妹/右)
扇 みなみ氏(姉/左) 井上 愛美氏(妹/右)
おおぎみなみ:2009年横浜市立大学国際総合科学部国際総合科学科卒業。東京でIT関連会社の法人営業を経て16年にUターン。Casochi業務執行社員。営業・企画担当 いのうえあみ:2012年北海道教育大学教育学部美術コース卒業。故郷を元気にしたい思いから同年にUターン。Casochi代表社員。アート制作・デザインを担当(写真:渡辺 誠舟)