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八戸市では中心市街地活性化のため、ポータルミュージアムや屋根付き広場などが建てられた。それら施設では、地域住民による活性組織「まちぐみ」が様々なアート活動でまちを盛り上げている。建築をまちぐるみで使いこなす彼らの試みは、今後の公共空間を変えていくものとなろう。

 青森県八戸市では、2000年代前半に中心市街地の空洞化が進展。まちなかの活性化を目的としたいくつかの公共施設が誕生した。11年、施設の1つである「八戸ポータルミュージアム はっち」の開業記念プレイベントにアーティストとして参加したのが山本耕一郎氏だ。それを機に山本氏は八戸に移住し、市民となった。

 まちぐみは14年10月に設立された市民集団だ〔写真1〕。中心市街地の活性化を目指し、八戸市が山本氏に依頼して設立。住人を巻き込んで行うアート活動は高く評価され、公益財団法人あしたの日本を創る協会が主催する「21年度あしたのまち・くらしづくり活動賞」で、総務大臣賞を受賞した。

〔写真1〕まちぐみの組員が自由に出入りできる拠点
〔写真1〕まちぐみの組員が自由に出入りできる拠点
中心市街地と本八戸駅の間にある「まちぐみラボ」。まちぐみの組員が自由に出入りできる場所となっている。周囲の道沿いではアート活動の痕跡がたくさん見られる(写真:佐藤 将之、馬場 義徳、安富 啓)
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 この賞は、「活力ある地域づくり・くらしづくり・ひとづくり活動」に取り組む団体や企業を表彰する。まちぐみは、活動プロセス自体がアート作品として捉えられ、地方をアートで活性化する形式を創出している。

山本 耕一郎氏 アーティスト/まちぐみ組長
山本 耕一郎氏 アーティスト/まちぐみ組長
やまもとこういちろう:1969年名古屋市生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。英国ロイヤルカレッジオブアート大学院修了。帰国後はアートプロジェクトを中心に活動、2011年はっちオープニングプロジェクト「八戸のうわさ」をきっかけに、12年八戸市南郷島守に移住(写真:佐藤 将之、馬場 義徳、安富 啓)
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