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設計事務所の多くで在宅勤務ができるよう環境が整えられ、リモートでの打ち合わせやチーム作業が定着してきている。若手をどう支援するか、各社がつかんだコツを探る。

リモート環境下で設計業務が円滑に進むよう、例えば日建設計は、情報共有や技術継承のための仕組みを構築中だ。リモートワークが浸透するなか、どこでも参加できるWeb会議などの活用に各社は手応えを感じているようだ。

 2020年4月、緊急事態宣言下で在宅勤務に切り替えた日建設計。この1年でリモートワークでの設計プロセスが定着。リモート環境下での作業を円滑にするため、全社でナレッジや最新情報を共有するデジタル環境の整備を急いでいる〔図1〕。

〔図1〕日建設計が取り組むリモート時代のナレッジなどの共有・技術継承
〔図1〕日建設計が取り組むリモート時代のナレッジなどの共有・技術継承
リモート環境下でも設計の流れを止めないよう、新人育成や組織の技術継承などに役立つ仕組みを構築している。「Web会議では参加者が順番に、言葉を選んで話す。若い設計者にとっては理解しやすくなったのではないだろうか」と日建設計取締役常務の児玉謙設計部門統括(写真)(資料:日建設計への取材を基に日経アーキテクチュアが作成、写真:日経アーキテクチュア)
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 コロナ禍のリモートワークに当たって懸念したのは新人の育成だ。人間関係を構築できていないなか、仕事を覚えていくのは難しい。「設計部門では20年からバディ(相棒)制を取り入れた」と同社取締役常務で設計部門統括の児玉謙氏は説明する。

 バディ制とは新入社員と、新入社員の相談相手となるチューターとが1年間、同じプロジェクトを担当するものだ。リモートワークで顔を合わせる機会が減っても、作業内容をお互いに共有できるようにしている。

 リモートで担当外のプロジェクトについて知る機会も設けた。ウェビナーでの「オンライン見学会」だ。「設計担当者がスマートフォンを持って完成プロジェクトを案内したり、座談会を開いたりする。400人超が視聴するなど好評だ」と児玉常務。

 コロナ禍以前から整備していたナレッジ共有の仕組みもある。日建設計がこれまで手掛けたプロジェクトの資料を社内共有するデータベースだ。例えば「最近のオフィスの天井高のトレンドが知りたい」といったときに簡単に検索できる。こうした、情報を広く共有する仕組みが、リモート環境で働く若手の助けになっている。