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AIS総合設計では、新人教育の一環でBIMのデザインコンペに参加。2020年は入社1、2年目の社員がチームのまとめ役となり、最終審査へ進んだ。オンラインでのプレゼンなど、新人が実務で得がたい経験を積んだ。

 AIS総合設計(宇都宮市)はBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の利用で先行する設計事務所として知られる。2014年から全てのプロジェクトで基本設計にBIMを導入し、設計の合理化を図ってきた。

 同社が新人教育の一環として若手社員に参加させているのがBIMを使って架空の設計案を競う「マロニエBIM設計コンペティション」だ。同社の佐々木宏幸代表取締役が会長を務める栃木県建築士事務所協会が主催している。

 マロニエBIM設計コンペは、設計業務におけるBIMの普及を目的に、14年から学生を対象として開催している。19年からは日本建築士事務所協会連合会との共催となり、社会人も参加できるようにした。

 参加条件の変更を受けて、基本設計でBIMを使うAIS総合設計では、教育の一環として、若手社員を参加させるようになった。19年は入社1年目の社員4人が個人参加。残念ながら1次審査を通過できた社員はいなかった。

新人をチームリーダーに

 20年にはマロニエBIM設計コンペの参加条件が変わり、チームでの参加が認められるようになった。そこで、AIS総合設計からは若手2チームが参加。入社1年目の社員と入社2年目の社員がそれぞれリーダーとしてチームを率いた〔図1〕。

〔図1〕新人がチームをマネジメント
〔図1〕新人がチームをマネジメント
AIS総合設計は、栃木県建築士事務所協会主催のBIM設計コンペに新人社員をリーダーとする2チームで参加した。左写真はリーダーを務めた20年入社の簗嶋圭太氏(左)、19年入社の大内拓海氏(右)(資料:栃木県建築士事務所協会、写真:AIS総合設計)
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 マロニエBIM設計コンペは課題や敷地の公表から72時間後が提出期限。BIMのデータやパース、設計趣旨などを提出する。

 AIS総合設計の参加チームでは、コンセプトづくりから設計、プレゼン資料づくりまで、若手が中心になって進めた。同社執行役員で建築部ディレクターの田村加奈子氏は、「時間に制限があるため、タイムスケジュールを自分で組み立てる必要がある。いろいろな人の力を借りて、何ができるか考える。大きく成長するチャンスだ」と語る。

 2チームとも1次審査を通過。最終審査は20年12月に「Web審査」形式で開催された。審査員がいる会場に、コンペ参加者がリモートでつないで発表した。

 Web審査の準備では、BIMモデルをどう見せるか、カメラに向かってどのように話すかなど、先輩社員らのアドバイスを受けて審査に臨んだ。2年目の社員が率いるチームの作品が社会人部門の優秀賞を受賞。前年度よりも好成績を残すことができた。