
意匠設計者のための木造住宅・構造計算
目次
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基礎に加わる力を詳細に把握する
本連載では、効率良く耐力を発揮する木造軸組み架構の設計方法を解説してきた。この架構が載る基礎は鉄筋コンクリート(RC)造が一般的だ。最終回は、RC造の基礎に関する許容応力度計算の要点を解説する。
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地震時に柱が引き抜けない接合を
地震時に耐力壁が本来の力を発揮するには接合部が重要になる。金物などを正しく選択するためには、接合部にかかる力を求める必要がある。許容応力度計算で接合部にかかる力を求める際のポイントを解説する。
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柱の負担荷重は大きく異なる
柱の位置によって負担する荷重は異なる。許容応力度計算では、各柱にかかる荷重を算出して、柱が座屈しないよう確認する。さらに、柱を支える土台がめり込まないように設計している。その方法を解説する。
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梁は断面欠損や梁上耐力壁に注意
梁の断面検定では、曲げやせん断といった強度を確保し、たわみが許容値以下に収まっているかを確認する。その際、部材の欠き込みや梁上耐力壁の影響を確認するには、許容応力度計算が必要になる。
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大きな吹き抜けは構造計算で確認
床を抜いて空間に広がりを持たせる吹き抜けは、意匠設計者にとってデザインの見せ場だ。一方、構造設計の面では注意が必要になる。壁量設計では大きな吹き抜けを想定しておらず、構造計算で確認したい。
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ねじれない家をつくる
耐力壁の配置バランスが悪いと生じるねじれ。これが原因で住宅が倒壊することもある。壁量設計と許容応力度計算とでねじれ対策にどのような違いがあるかを確認しながら、精度の高い鉛直構面の検証方法を解説する。
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筋交いの壁倍率は過大になっている
木造戸建て住宅でおなじみの筋交いは、壁量設計で用いる場合、壁倍率2倍となっている。しかし、実験などの結果を見ると出ないケースがあるという。耐力が出ない理由と、その影響を解説する。(日経アーキテクチュア)
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海岸近くでは壁量が風で決まることも
スーパー台風や巨大地震の際、壁量設計では耐力不足が生じる可能性がある。許容応力度計算なら、個々の建物に応じて対策が可能だ。連載で用いる検討プランの住宅を例に、風圧力や地震力の求め方を解説する。(日経アーキテクチュア)
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無等級材は要注意
構造計算では部材強度のばらつきが少ない日本農林規格(JAS)の認定材料を使うのが有利だ。ところが、製材は「無等級材」が使われることが多くなっている。無等級材の問題点と、使用する上での注意点を解説する。
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壁量設計では大地震で倒壊も
2階建て以下の木造住宅を特別扱いする「壁量設計」が時代に合わなくなっている。こう警鐘を鳴らすのは大橋好光・東京都市大学名誉教授だ。この連載では大橋氏が壁量設計で見落としがちな構造計算の要点を解説する。