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本連載では、効率良く耐力を発揮する木造軸組み架構の設計方法を解説してきた。この架構が載る基礎は鉄筋コンクリート(RC)造が一般的だ。最終回は、RC造の基礎に関する許容応力度計算の要点を解説する。(日経アーキテクチュア)

布基礎の曲げ、せん断の性能を確認する試験の様子。鉄筋量に比例して性能が高くなる。無筋の試験体では自重で割れるものもある(写真:筆者)
布基礎の曲げ、せん断の性能を確認する試験の様子。鉄筋量に比例して性能が高くなる。無筋の試験体では自重で割れるものもある(写真:筆者)
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 1995年の阪神大震災で被災した建物の基礎は、鉄筋の入っていない布基礎も多く、中にはブロックやレンガを積んだものも見られた。震災後、実施された基礎の実験では、鉄筋の有無による性能の違いや、補強工法の有効性が検証された。無筋の基礎の曲げ性能はたわいないもので、中には自重だけで割れたものもあった。

 こうした実験の結果を受けて、2000年建設省告示1347号が施行された。実質的に鉄筋を入れることが義務化された。

 告示1347号の要点は、以下の通りだ。まず、地盤の許容応力度によって、使用できる基礎の種類(布基礎、ベタ基礎、杭基礎)を定めた。さらに、それぞれの種類ごとに、断面の大きさや、鉄筋を入れる位置と太さなどを定めた。仕様規定である。

 特に意義深いのは、地盤の許容応力度に応じて基礎の種類を定めたことだ。地盤を調べ、許容応力度を決めないといけないからだ。つまり、地盤の調査が必須になったのである。

 住宅の場合、スクリューウエート貫入試験(SWS試験)が一般的である。従来、スウェーデン式サウンディング法と呼んでいた方法だ。

 基礎の種類ごとの仕様は、おおむね、当時の住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)の住宅工事仕様書を文章化したものであった。このため、大きな混乱もなく移行できた〔図1〕。

〔図1〕ベタ基礎の仕様規定
〔図1〕ベタ基礎の仕様規定
ベタ基礎の仕様規定を示した図。立ち上がりの厚みが12cm以上だが、今は15cmが主流になりつつある(資料:筆者)
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 その後、住宅の基礎の主流は、布基礎からベタ基礎に変わっていく。構造性能が高く、排出する土が少ない、などが理由とされる。もちろん、他の建材に比べて相対的に、コンクリートの値段が安くなってきたことも理由に挙げられる。