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トヨタ自動車とパナソニックの技術力を生かした街づくりに取り組むプライム ライフ テクノロジーズ(東京都港区)。第1弾となる分譲地開発でレジリエンス強化を打ち出した。クルマと家とで電気を融通する「V2H」を提案する。

 愛知県みよし市は名古屋市と豊田市の通勤圏に位置する利便性のよい人気エリア。東名高速道路のインターチェンジもあり、ベッドタウンとして宅地開発が進んでいる。2020年10月にオープンした「MIYOSHI MIRAITO(みよしみらいと)」もその1つ。愛知大学のキャンパス跡地を利用した19万m2超の大型分譲地で288区画を順次販売していく〔写真1〕。

〔写真1〕多くの住戸に太陽光発電パネルを搭載
〔写真1〕多くの住戸に太陽光発電パネルを搭載
高台にある分譲地内の公園から街区を見る。屋根材一体型の太陽光発電が採用されている住宅が中心。耐震性能は住宅性能表示制度の等級3、省エネ性能に関する外皮平均熱貫流率(UA値)は0.6が標準だ(写真:日経アーキテクチュア)
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 開発者は不動産開発会社のプライム ライフ テクノロジーズ。トヨタホームやパナソニックホームズ、ミサワホームなどによるホールディングス(持ち株会社)だ。この分譲地が最初のプロジェクトとなる。

 分譲地の中心的な敷地面積は211.3m2(63.9坪)。分譲戸建ての延べ面積は110~120m2。第1期建て売り価格はトヨタホームの場合で5000万円台後半~6000万円台後半だ。「地域の相場よりやや割高だが好評を得ている」(トヨタホーム経理・経営企画室星川博樹氏)

 好評を得ている理由の1つが、敷地全体の約3割を森林が占める環境の良さだ。また、レジリエンス(回復力)強化を打ち出していることも特徴だ。建物の基本性能を高め、各種の創エネ設備を備えている。

 ほぼ全戸に太陽光発電システムやHEMS(住宅エネルギー管理システム)を採用し、一定の割合の住戸に非常時給電システム「クルマ de 給電」を採用している〔写真23〕。これはハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカーの蓄電池から電気を取り出し、家庭内の一部のコンセントに供給する仕組みだ。停電時に最低限必要な家電類へ電力供給することで、在宅避難を可能にする。

〔写真2〕クルマ de 給電の接続器
〔写真2〕クルマ de 給電の接続器
非常時給電システム「クルマ de 給電」の接続器となるコンセント。この機器と電気自動車を電気ケーブルでつなぐことで通常の状態で室内の家電などが使用できる(写真:日経アーキテクチュア)
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〔写真3〕クルマからの給電で在宅避難
〔写真3〕クルマからの給電で在宅避難
停電の際、クルマに搭載されたコンセントから直接、住宅内の特定回路がカバーする家電に電力を供給。在宅避難をしやすくする(写真:プライム ライフ テクノロジーズ)
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 このほか6棟の住戸を「コミュニティZEH」としている。太陽光発電とビークルトゥーホーム(V2H)、電気自動車により、停電時に各戸の余剰電力を地域に供給する仕組みだ。

 V2Hとは、電気自動車に電気をためて、その電気を家庭に供給するシステムのことだ。停電時には家庭のコンセントにつないだ家電類がそのまま使える。固定価格買取制度の終了後はこれまで売電していた余剰電力を有効活用できるので日常生活の光熱費削減にも役立つ。

 コミュニティZEHに対しては国から「コミュニティZEHによるレジリエンス強化事業」の補助を受けている。金額は6棟を対象に各160万円だ。