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 プレカット最大手  ポラテック
輸入材の入荷は正常化へ 様子を見て制限解除
北大路 康信(きたおおじ やすのぶ)
北大路 康信(きたおおじ やすのぶ)
ポラテック 専務取締役

 「ウッドショック」という言葉は使いたくない。海外のサプライヤーとは3カ月先の納材契約を結んでいるが、木材がどこにも無くて買えないという状態ではないからだ。輸入材の入荷状況はもうすぐ、おおむね正常に戻るだろうと見込んでいる。2021年6月までは住宅会社からの受注を前年実績の8割に制限する措置を続けるが、7月以降は状況を見ながら制限を解除していきたい。

 当社が扱う木材の7割は輸入材。そのうち3割は商社などを介さず直接買い付けている。海外の需要家に負けてはいられないので、4月から値上げをのんででも買い進めてきた。19年にフィランドのヘルシンキに事務所を設置し、現在は3人が駐在しているが、今回の事態で大いに役立ってくれた。

 私は約50年間、木材に携わっているが、木材価格がこれほど高騰した経験はない。石油ショックの時以上だ。20年末に5万円/m3だったレッドウッド集成材の輸入価格が、21年6月には8万円/m3になった。この先も毎月1万円単位で上がり、8月に10万円/m3になるのはほぼ確実だとみている。営業担当者には、価格を上棟日になるべく近い日に決めるよう伝えている。早い段階で価格を決めて、後に変更となるとトラブルになりやすいからだ。

 国産材の取扱量は増やしたいが、欲しいものが少ない。欲しいのは集成材やLVL(単板積層材)といった、プレカットに人手がかからず、割れや変形などのクレームが少ないエンジニアリングウッド。ムク材なら乾燥材が最低条件だ。国産材のエンジニアリングウッドを増やす支援策を国に期待する。(談)

 集成材メーカー最大手  銘建工業
長年の安定供給が崩れた 9月価格は6月の2倍弱に
中島 浩一郎(なかしま こういちろう)
中島 浩一郎(なかしま こういちろう)
銘建工業 代表取締役社長

 1993年に欧州からホワイトウッドのラミナを輸入して日本で集成材を生産する事業を開始して以来、これほど原材料価格が暴騰して、供給が不安定になる経験は初めてだ。2021年7~9月期の原材料価格は500ユーロ/m3を超えると聞いた。1~3月期の2倍だ。このため、集成材の出荷価格も上げざるを得ない。6月の平均出荷価格は8万円/m3。9月はその2倍近い14万~15万円/m3になる見込みだ。

 注文したのに日本にまだ到着していないラミナが大量にある。コンテナは5月末から日本に到着し始めたが、入荷量が不安定で予断を許さない。集成材の生産量を計画比で2~3割減らす措置は、当面継続することになりそうだ。

 欧州には、植林、伐採、製材、乾燥、燃料利用といった、木材の持続可能なインフラが整備されており、高い生産効率を実現している。欧州から木材を仕入れ、国内で集成材を安定的に供給してこれたのは、このインフラのおかげだ。今回、それが崩れたことに驚いている。当社は2008年に製材会社を立ち上げ、国産材で集成材の柱を生産しようとしたが、大赤字で断念した経験がある。欧州のようなインフラが国内に整っていないことが根本的な原因だった。

 そもそも欧州には「国産材」という考え方すらない。木材は世界市場で売り買いするものだからだ。木材需要が世界的に増していることを商機と捉え、世界市場のなかで日本の木材をどう売るか考えるぐらいでないと、ますます世界との差は広がる。(談)