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持続可能な成長への意識が高まり、建築分野でも「環境」「健康」「ストック活用」の取り組みが重要になっている。関連する評価ツールや法適合性の調査について、ビューローベリタスジャパンの担当者が解説する。(日経アーキテクチュア)

建築物の環境性能を評価した表示ラベルの例。このほかLEEDなど海外発の評価ツールもある(写真:守山 久子)
建築物の環境性能を評価した表示ラベルの例。このほかLEEDなど海外発の評価ツールもある(写真:守山 久子)
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 「環境」「健康」「ストック活用」に対する建築関係者の関心が高まっている──。当社が全国の事業所で建築物の確認・検査や評価・認証の業務に携わるなか、近年感じている変化だ。建物の環境性能や健康性能に対する第三者評価、法適合性に関する調査の業務について依頼や問い合わせが増えている。

 全国の動きを見ても、例えば環境性能の評価ツールによる国内認証数は着実に増えてきた〔図1〕。2005年の初認証以来16年の実績を持つ「建築環境総合性能評価システム(CASBEE)」はもちろん、米国発祥の環境性能評価システム「LEED」もここ数年で存在感を見せ始めている。

〔図1〕環境性能に対する国内の認証数累計は着実に増加
〔図1〕環境性能に対する国内の認証数累計は着実に増加
CASBEEとLEEDの国内認証数累計。LEEDは年ごとの集計で、20年は同年7月時点の数値。ビューローベリタスジャパンは写真の建物など約160件のCASBEE認証(ウェルネスオフィスを除く)を実施(資料:CASBEE認証機関等連絡会議、グリーンビルディングジャパン、写真:守山 久子)
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 社会の動きは早い。今は自分の業務に関係ないと思っていても、明日、顧客の相談を受けるかもしれない。設計実務者にとって環境、健康、ストック活用に関する知識は、もはや必須の要素といえるだろう。本連載ではこれらに関する評価ツールと調査のうち、国内での認知度が高いCASBEE、LEED、WELL、遵法性調査・ガイドライン調査を中心に押さえておきたい実務の基礎を整理する。