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シェルター(山形市)がこれまでに関わった木造建築は、沖縄県を除く46都道府県にある。地場産材を使った公共建築も多い。大型木造の場合、同社は部材をどう調達しているのか。常務取締役の安達広幸氏に聞いた。

 大断面集成材やCLTの製造工場は全国にそう多くあるわけではない。そのためシェルターでは、それらの工場に木材が搬入される前、山で木が伐採されるところから発注するようにしている。安達氏は「大型木造では原木調達から手配し、A工場では柱、B工場では梁、と分担して製作を進めないと、工程に間に合わないことが多い」と話す。

 また、大断面集成材を加工できるプレカット工場で提携しているのは全国に40社弱。それらの工場では、同社が作製した加工データをメールで送れば、自動的に機械が動くという。大断面でなければ、1県当たり2~3工場を利用できる。

 このように全国に加工工場のネットワークがあり、取引先工場には材料を常時、一定数確保してもらうよう頼んでいるので、ウッドショックの影響は今のところ少ない。とはいえ「これ以上長引くと、価格的には厳しくなりそうだ」(安達氏)。

木材手配と構造設計を同時に

 シェルターは、木質構造部材の製造販売だけではなく、大型木造実現に向けての設計事務所への支援、施工会社への技術提供なども行っている〔図1〕。分離発注の公共建築では最近、自治体から企画段階で話があることも増えていて、木材利用のコーディネートも手掛けている。

〔図1〕地場産材を活用した公共建築物の生産フローの一例
〔図1〕地場産材を活用した公共建築物の生産フローの一例
シェルターの主な業務請け負い範囲は緑色の四角部分。これまでに関わった公共建築に「静岡県富士山世界遺産センター」(坂茂建築設計)などがある(資料:シェルター)
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 施工会社への技術提供の1つが、建て方の作業手順の打ち合わせだ。また、工程に合わせたピンポイント配送を含む手配が可能で、その仕組みを全国に構築している。「何月何日何時に何工区の何番の材料を何本、トラック何台で入る」というところまで同社がコントロールできる。

 設計事務所に対しては、図面の作製や構造計算のほか、木材手配と構造設計を同時に進める必要があることから、情報収集・提供も重要な支援業務だ。例えば、各地の集成材工場がラミナをどれくらい保管しているのかを常に把握している。

 また、これまでの経験を基に、「この地域ならこれがいいと思う」というような情報を提供する。「確認申請のとき、この設計と構造計算はこの人なら理解してくれると思うといったこともお伝えしている」(安達氏)

 さらに大事なのはコストだ。建物によっては材料費よりも材料の加工費のほうが大きいこともある。手戻りのないように、早い段階で見積もりを出せるのが同社の強みだ。