全1249文字
PR

東京都渋谷区では日本財団の取り組みとは別に、建築家の谷尻誠氏が設計した公衆トイレも注目だ。アートのような外観にホテルのような内装、男女共用の入り口など、公衆トイレのイメージを覆す試みだ。

 JR千駄ケ谷駅の改札を出て左に数十メートル行くと、地面から浮いたコンクリート打ち放しの四角い箱が目に入る〔写真1〕。2020年夏に完成した渋谷区の「千駄ケ谷駅前公衆トイレ」だ。足元は、地面から50cmまでがスリット状に切り取られており、全体が浮いているように見える。

〔写真1〕地面から浮いたコンクリート打ち放しの箱
〔写真1〕地面から浮いたコンクリート打ち放しの箱
西側の外観。都営地下鉄大江戸線・国立競技場駅の出入り口と、首都高速道路の高架橋に挟まれている(写真:長谷川 健太)
[画像のクリックで拡大表示]

 渋谷区内では、日本財団の「THE TOKYO TOILET」が話題になっている。「このプロジェクトはそれとは別の事業だが、これからは公衆トイレそのものの役割が変わる必要があると思った。東京五輪・パラリンピックに向けて、渋谷区として街を盛り上げていくためにも、用を足す必要がなくても行きたくなるトイレであることも大事だろうと考えた」と谷尻氏は話す。そこで、トイレをアートに変えるように、コンクリートの彫刻を意図して案を練った。