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設計事務所はこの10年間、東京五輪特需などを背景に売り上げを伸ばしてきた。ただし、その伸び具合は企業によって大きく異なる。売上高や所員数の10年間の変化に着目すると「真の勝者」が見えてきた。

 1位IAO竹田設計(大阪市)、2位梓設計、3位JR東日本建築設計。この順位は、2020年度決算(単体)で設計・監理業務売上高の上位25社について、11年度からの売上高の「伸び率」を算出し、高い順に並べた結果だ。日建設計やNTTファシリティーズ、三菱地所設計といった“常連”が上位に並ぶ日経アーキテクチュアの決算ランキングとは大きく異なる顔ぶれだ。

 売上高の伸び率に加えて所員数の伸び率を算出し、20年度決算の売上高などを併記したのが図1。これを見ると、10年間で他社よりも成長した企業が一目瞭然だ。試しに、売上高伸び率の上位5社を見てみよう。

〔図1〕建築設計事務所上位25社の売上高と所員数、10年間の伸び率は?
〔図1〕建築設計事務所上位25社の売上高と所員数、10年間の伸び率は?
日経アーキテクチュア調査などを基に作成した。対象は、2020年度の設計・監理業務売上高の上位25社。11年度と比べた20年度の売上高の増減率を縦軸に、所員数の増減率を横軸にとり、各企業の値をプロットした。企業名と併せて20年度の売上高と所員数も示した。円の大きさは売上高に比例しており、色は右下の凡例の通りに分類した(資料:日経アーキテクチュア)
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二子玉川ライズ第2期(写真:吉田 誠)
二子玉川ライズ第2期(写真:吉田 誠)
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バスタ新宿、JR新宿ミライナタワー(写真:安川 千秋)
バスタ新宿、JR新宿ミライナタワー(写真:安川 千秋)
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アパホテル&リゾート〈御堂筋本町駅タワー〉(写真:アパホテル)
アパホテル&リゾート〈御堂筋本町駅タワー〉(写真:アパホテル)
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 売上高の伸び率では、主力の集合住宅に加えて宿泊施設などの売り上げを伸ばしたIAO竹田設計が首位に。11年度決算で約21億円だった売上高は、16年度に30億円を超え、さらに20年度には11年度から約90%増の約40億円に達した。

 2位の梓設計は、国立競技場の設計を手掛けるなど建築界での存在感を高めた〔図2〕。同社の売り上げは11年度当時、山下設計を8億円ほど下回る約67億円だった。そこから、「事業拡大より採算の改善を優先してきた」という山下設計とは対照的に売り上げを伸ばし続け、20年度には約122億円に。梓設計は所員数もこの10年間で約57%増やした。所員数伸び率は堂々の1位だ。

〔図2〕五輪特需などが好景気を支えた
〔図2〕五輪特需などが好景気を支えた
2020年度の設計・監理業務売上高の上位25社を対象に、売上高の合計と所員数の合計について推移を示した。東京五輪の開催決定を受けて、五輪関連施設の建設が進んだほか、再開発プロジェクトが活発化した(資料:日経アーキテクチュア)
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東京五輪会場の国立競技場(写真:日経クロステック)
東京五輪会場の国立競技場(写真:日経クロステック)
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