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2011年度から20年度の10年間で、建築の設計・監理業務売上高を約90%も伸ばすことに成功したIAO竹田設計。08年のリーマン・ショックによる低迷期を乗り越え、急成長を果たすことができた秘密を探る。

 日経アーキテクチュアが作成した設計事務所2020年度決算ランキング 「設計事務所2020年度決算ランキング」参照 上位25社のうち、直近10年間の設計・監理業務売上高の伸び率がトップだったIAO竹田設計(大阪市)。11年度に約21億円だった売上高を、20年度には約40億円まで増やした〔図1〕。

〔図1〕リーマン・ショックで業績が落ち込むも急成長へ
〔図1〕リーマン・ショックで業績が落ち込むも急成長へ
IAO竹田設計の設計・監理業務売上高の推移。集合住宅以外も積極的に受注することで急成長を遂げた。下の写真はいずれも同社が設計したプロジェクト(資料:日経アーキテクチュア)
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寺院山門と一体のホテル「積水ハウス不動産関西南御堂ビル」(写真:IAO竹田設計)
寺院山門と一体のホテル「積水ハウス不動産関西南御堂ビル」(写真:IAO竹田設計)
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バルコニーが特徴的な賃貸集合住宅「Brillia ist 千駄ヶ谷」(写真:IAO竹田設計)
バルコニーが特徴的な賃貸集合住宅「Brillia ist 千駄ヶ谷」(写真:IAO竹田設計)
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 同社の大植基義副社長は急成長の理由の1つとして「08年のリーマン・ショックの経験を踏まえて、それまで以上に集合住宅以外の受注に力を入れたこと」を挙げる〔写真1〕。

〔写真1〕急成長を果たしたIAO竹田設計
〔写真1〕急成長を果たしたIAO竹田設計
右からIAO竹田設計の大植基義副社長、同社東京スタジオの古川寛二室長、同スタジオの河村優子主任。東京では古川氏と河村氏が模型制作を担当。古川氏は模型制作専門の会社を経営していた(写真:日経アーキテクチュア)
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 1976年設立の同社は、集合住宅に強みを持つ。手掛ける業務のほとんどは民間発注者のプロジェクトで、2011年度決算では売上高の約9割を住宅が占めた。元来、景気の影響を受けやすい体質だったといえる。

 実際、リーマン・ショックの影響で業績は大きく落ち込み、以前の水準に戻るまでに約5年を要した。復活の一手として、非住宅の受注に注力。売り上げに占める非住宅の割合を増やす“体質改善”に取り組んだ。

 そのかいあって宿泊施設や福祉施設などが大きく伸びた。特に宿泊施設は、11年度にわずか約3%だった売上高に占める割合が、20年度には約15%へ拡大〔図2〕。住宅の売上高も伸ばしながら、売上高に占める割合を約7割まで下げられた。

〔図2〕設計・監理業務売上高の構成比は大きく変化
〔図2〕設計・監理業務売上高の構成比は大きく変化
設計・監理業務売上高に占める住宅以外の割合が、2011年度から20年度で大きくなった。売上高全体も約21億円から約40億円へ急成長している(資料:日経アーキテクチュア)
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