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日経アーキテクチュアの2020年度決算ランキングでは、日建設計の設計・監理業務売上高が400億円を突破した。設計の前段階から計画に携わることで、大型都市開発をモノにしてきた“王者”が、次に重点を置く分野とは。

 2011年度から20年度までの10年間、日経アーキテクチュアの決算ランキング(設計・監理業務売上高)で首位を守り続けてきた日建設計。11年度決算の時点で2位のNTTファシリティーズと約43億円だった売上高の差は、20年度には約174億円まで広がり、王者の座を不動のものとした。

 日建設計執行役員の妹尾賢二国内広報プリンシパルは「近年は、一つひとつのプロジェクトが大型化・複雑化している。当社がそうしたニーズに応えてきた結果だ」と語る。

都市計画業務がカギに

 確かに、同社が設計を手掛けて、この10年間に竣工した大型プロジェクトは数知れず。その実績には、渋谷の再開発の目玉である渋谷スクランブルスクエアをはじめ、東京ミッドタウン日比谷や東京ガーデンテラス紀尾井町、京橋エドグランといった都内有数の大規模複合施設がずらりと並ぶ〔写真1〕。

〔写真1〕延べ面積15万m2超のプロジェクトがごろごろ
日建設計が設計を手掛けた大型施設。プロジェクトアーキテクトのように、設計者以外の立場で携わった案件も含む

渋谷スクランブルスクエア
渋谷スクランブルスクエア
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東京ミッドタウン日比谷
東京ミッドタウン日比谷
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グランフロント大阪
グランフロント大阪
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東京ガーデンテラス紀尾井町
東京ガーデンテラス紀尾井町
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京橋エドグラン
京橋エドグラン
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サクラマチクマモト
サクラマチクマモト
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JR熊本駅ビル
JR熊本駅ビル
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東急プラザ銀座
東急プラザ銀座
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大丸心斎橋店本館
大丸心斎橋店本館
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W Osaka
W Osaka
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ダイヤゲート池袋
ダイヤゲート池袋
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ミュージアムタワー京橋
ミュージアムタワー京橋
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MIYASHITA PARK
MIYASHITA PARK
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(写真:吉田 誠、安川 千秋、生田 将人、日経アーキテクチュア、イクマ サトシ、浅田 美浩)

 なぜ、日建設計はこのようなビッグプロジェクトの設計業務を次々に受注できるのか。妹尾国内広報プリンシパルは、「都市計画から関わっているのが強みだ」と話す。行政との協議など、開発を進めるうえで重要な関係者間の調整役を担い、そのまま設計者としてもプロジェクトに加わるというわけだ。

 法定再開発(都市再開発法に基づく市街地再開発)や都市再生特別地区といった都市開発の手法にいち早く取り組むことで吸収してきたノウハウを、この10年間でいかんなく発揮したといえる。

 建築の設計・監理業務売上高を対象とした日経アーキテクチュアの決算ランキングには表れないが、都市計画業務の売り上げは着実に伸びている。11年度決算では約28億円だったが、20年度には約62億円まで増えた。都市部門の成長が設計・監理業務売上高の好調につながっていることを数字が物語っている〔図1〕。

〔図1〕都市計画業務も急成長
〔図1〕都市計画業務も急成長
日建設計の総売上高の内訳。設計・監理に加え、都市計画業務も伸びたことが分かる(資料:日経アーキテクチュア調査や取材を基に作成)
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社長交代会見の様子。都市部門出身の大松敦氏(左)が2021年、社長に就いた(写真:日経アーキテクチュア)
社長交代会見の様子。都市部門出身の大松敦氏(左)が2021年、社長に就いた(写真:日経アーキテクチュア)
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