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建築設計事務所の2020年度決算は、コロナ禍でも前期に続いておおむね好調だった。21年度決算の見通しも、総じて悪くはなさそうだ。ただし、深刻化するコロナ禍が建築市場に与える影響を懸念する声も多い。

 新型コロナウイルスの感染拡大に直面した2020年度決算。日経アーキテクチュアが20年6~7月に実施した調査では、回答を寄せた設計事務所107社のうち約75%が、コロナ禍による業績への悪影響を懸念していた。

 しかし、蓋を開けてみれば、20年度決算(単体)はおおむね好調で、コロナ禍の影響をさほど感じさせない結果になった。日経アーキテクチュアが21年6~7月に実施した最新の調査では、19年度と20年度の実績を回答した107社のうち、20年度の設計・監理業務売上高が19年度から増加した企業は58社で、半数を超えた〔図1〕。

〔図1〕増収を果たした企業が過半数
〔図1〕増収を果たした企業が過半数
日経アーキテクチュア調査に2019年度と20年度の実績を回答した107社について集計した。教育施設研究所や松下設計などが20%以上、売上高を伸ばした。調査概要は下欄(資料:日経アーキテクチュア)
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 増収を果たした企業からはコロナ禍について「特に売上高への影響はない」(教育施設研究所)、「目立った影響はない」(桂設計)といった回答が上がった。

調査概要

  • 各社の2020年度単体決算(2020年4月~21年3月の間に迎えた決算期の単体実績)をアンケート形式で調査した。調査票は21年6月初旬に郵送し、7月初旬までに回収した
  • 調査主体:日経アーキテクチュア
  • 調査協力:日経BPコンサルティング
  • 調査対象は、(1)公共建築設計者情報システム「PUBDIS」から抽出した20人以上の建築設計事務所、(2)前回調査(2019年度決算ランキング)における回答企業で、合計345社。回答社数は117社(回答率33.9%)