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2021年、都市再生機構(UR)と日本建築学会がコンペティションを開催中だ。題材は、19年に国の登録有形文化財に登録された旧赤羽台団地の顔「スターハウス」。その保存・活用への道のりを探る。

 日本住宅公団(現・UR)が建てた旧赤羽台団地(東京都北区)には、Y字形平面の住棟「スターハウス」がある〔写真1〕。現在は人が住んでいない。

〔写真1〕登録有形文化財の旧赤羽台団地スターハウス
〔写真1〕登録有形文化財の旧赤羽台団地スターハウス
登録有形文化財に登録されたうちの1棟。鉄筋コンクリート造で5階建て。延べ面積は約751m2。都市再生機構はこの付近に、再現住戸などを展示する情報発信施設を整備する(写真:都市再生機構)
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 このスターハウスを舞台に、2021年、URは日本建築学会と共にコンペを開催。テーマに「スターハウスの未来(さき)にある暮らし」を据え、スターハウスのリノベーションや団地再生への提言、コロナ禍の先を見据えた未来の暮らしなどについて、アイデアを8月30日まで募集した。11月中旬に最終結果を発表する。最優秀賞の作品は、スターハウス1棟の2階部分を使用し、可能な範囲で再現する予定だ。場合によってはCGやVR(仮想現実)も活用する。

 コンペの実施についてUR技術・コスト管理部技術調査課の渡辺直担当課長は「規格型とはいえ当時の最先端だった住宅団地を舞台に、これから求める暮らしは何かをあえて問うたのが趣旨だ」と説明。「UR賃貸住宅がどのような住宅を目指せばよいか、新しい住まいの参考にしたい」と期待を語った。

 旧赤羽台団地は東京23区内で初めての大規模団地。1962年に入居を開始した。2000年から新たな団地「ヌーヴェル赤羽台」への建て替えや再編が進められている〔図1〕。そのさなか、旧赤羽台団地のスターハウス3棟と板状住棟1棟が19年、団地内の住棟として初めて国の登録有形文化財に登録された。

〔図1〕旧赤羽台団地の建て替えが進む中で保存へ
旧赤羽台団地の建て替え事業は2000年から着々と進んでいる(資料:都市再生機構の資料や取材などを基に日経アーキテクチュアが作成)
旧赤羽台団地の建て替え事業は2000年から着々と進んでいる(資料:都市再生機構の資料や取材などを基に日経アーキテクチュアが作成)
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図面は旧赤羽台団地に残る中層スターハウスの基準階平面図。日本のスターハウスは、建築家の市浦健が考案したとされる(資料:都市再生機構の資料や取材などを基に日経アーキテクチュアが作成)
図面は旧赤羽台団地に残る中層スターハウスの基準階平面図。日本のスターハウスは、建築家の市浦健が考案したとされる(資料:都市再生機構の資料や取材などを基に日経アーキテクチュアが作成)
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