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異業種の企業やスタートアップ企業などとのオープンイノベーション(社外との連携によるイノベーションの創出)に取り組む建設会社が増えてきた。最先端を走るのが大林組。米シリコンバレーでの取り組みを徹底リポートする。

 米シリコンバレーの山中に広がる採石場で、無人のダンプトラックがゆっくりと動き出した。機体には「OBAYASHI」と「SafeAI」のロゴ。大林組と、同社が出資するスタートアップ企業の米SafeAI(セーフエーアイ)による、重機の自律化に向けた挑戦が2021年3月中旬に本格始動した〔写真1図1〕。

〔写真1〕市販のダンプをAIで自律化
〔写真1〕市販のダンプをAIで自律化
左端が、大林組が自律化を進めるダンプトラック。SafeAIのビブラジット・ハルダーCEOはキャタピラーやフォード・モーター、アップルで自動運転の技術を磨いて2017年に起業した(写真:SafeAI)
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〔図1〕未舗装の悪路を自動走行
〔図1〕未舗装の悪路を自動走行
米シリコンバレーの採石場を走行する様子。SafeAIの技術であれば、メーカーや型式を問わずに自律化が可能。今回の取り組みでも、メーカーの協力は一切受けていない(資料:SafeAI)
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 大林組がダンプトラックを購入してセーフエーアイに提供。同社は、周囲を認識するためのLiDAR(ライダー)やカメラ、データ処理用コンピューターなどを機体に取り付けた。

 自律化の肝が、機体を制御するソフトウエアだ。セーフエーアイは採石場の地形データをコンピューター上に取り込み、仮想の実験場を生成。走行シミュレーションを繰り返してAI(人工知能)で学習を重ね、現実世界でも安全かつ正確に走行できるようにした。この日、ダンプトラックは、設定したルートを走破するという最初の関門をクリアした。