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ドローンで赤外線画像を撮影して人工知能(AI)で浮きを自動判定する技術で、外壁調査の効率化を図るのは竹中工務店だ。ゴンドラで打診を行う技術と組み合わせて、補修箇所を絞り込み、足場設置の最小化に取り組む。
竹中工務店は、ドローンを使ったタイル診断システム「スマートタイルセイバー」(以下STS)や、打診の様子をカメラに記録する外壁調査システム「カベロク」などのデジタル技術を組み合わせて、新しい外壁調査方法を提案する〔図1〕。
1次診断としてSTSでタイルの浮き状況を把握。2次診断では、1次診断で検出した浮きの疑いのある箇所について、ゴンドラを使った打診で浮きの有無を確認する。補修では、必要な箇所だけに足場を設置して、工事を実施する。
「外壁タイルの打診調査をするため全面に足場を設置したのに、補修が必要なのはほんのわずか。そうならないよう、足場の設置を最小限の範囲に抑えることで、管理組合の費用負担を抑える」。STSの開発に携わる同社北関東支店の深沢茂臣・作業所長はこう説明する。
STSは、ドローンに搭載した赤外線カメラで撮影した画像を用いて、AIによる画像解析でタイルの浮きを検出するシステムだ〔図2〕。タイル割りを自動で作成し、タイル1枚1枚の浮きを判定して「浮き率」を算出する。また、浮きの判定も自動なので、調査員によるばらつきが生じない。