延べ1000m2以下の中小規模木造によるコンパクトな公民館や集会所が各地で増えている。公共建築物等木材利用促進法の改正で、対象が民間建築まで拡大したことも追い風となりそうだ。軸組み構法を用いながら、プランの工夫で地域らしさを生んだ例を集めた。

特集
コンパクト木造を解く
地域になじむ中小規模の集会施設
目次
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耐火構造のホール中心に町並みに倣う
民家が寄り集まったように建物を分節化し、周辺の町並みとの調和を図った木造の公民館。耐火構造が求められたホール空間では、鉄骨造との混構造を採用して、スギ製材による木造トラスを現しにした。
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木材から施工まで地元の技術を結集
隣接する歴史的建造物を引き立てつつ、地域の活力を引き出すことを目指す木造の公民館。地域材を、地域で生産・加工し、地域に残る大工の伝統技術も取り入れて、シンプルに見えて難度の高い木造空間を創出した。
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築50年の団地に準耐火木造の集会所
築50年の団地内にあった集会所を、木造で建て直した。準耐火構造が求められたため、燃えしろ設計と耐火被覆とを使い分け、様々なパターンに空間を組み替えられるフレキシブルな木質空間をつくった。
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民間も木造促進でコンパクト規模に期待
さらなる建物の木造・木質化を目指す法律が2021年10月1日、施行された。「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」だ。