2020年に開業した東京・下北沢の商店街「BONUS TRACK(ボーナストラック)」や、集合住宅のコモンスペース、宿場の古民家利活用など、ハード・ソフト両面で、人が集う場づくりに手腕が光る。
さんどう たくと 35歳
1986年東京都生まれ。2009年東京工業大学工学部建築学科卒業、11年同大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了、18年同大学院博士課程単位取得満期退学。12年Alejandro Aravena Architects/ELEMENTAL(南米・チリ)。12~13年Tsukuruba Inc. チーフアーキテクト。13年ツバメアーキテクツ設立。19~21年住総研研究員、20年東京理科大学共同研究員。21年より法政大学デザイン工学部専任講師
ちば もとお 35歳
1986年千葉県生まれ。2009年東京工業大学工学部建築学科卒業、10~11年スイス連邦工科大学(ETH)派遣交換留学、12年東京工業大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了。13年ツバメアーキテクツ設立
さいかわ ひまり 35歳
1986年新潟県生まれ。2009年お茶の水女子大学生活科学部卒業、10年早稲田大学芸術学校建築設計科修了、12年横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA卒業、12~13年シーラカンスアンドアソシエイツ(CAt)勤務。13年ツバメアーキテクツ設立。21年より早稲田大学芸術学校准教授
主要プロジェクトは、BONUS TRACK(2020年)、リノア北赤羽(20年)、BYAKU Narai 上原屋(21年)、下北沢の園芸小屋とギャラリー(仮称、22年予定)、下北沢の事務所(仮称、22年予定)、藤野ヴィレッジプロジェクト(仮称、22年予定)
ツバメアーキテクツ(東京都新宿区)は、東京工業大学塚本由晴研究室で同期だった山道拓人氏と千葉元生氏、学生時代から交流があった西川日満里氏の3人が2013年に設立した。
チームの強みについて山道氏は、「目指す方向は同じでも、3人の関心や興味、目標設定が微妙にずれている。そのずれが、設計した建築に街の人が参加できる余白を生むのではないか」と分析する。
ツバメアーキテクツのもう1つの強みは、「デザイン(建築設計)」と「ラボ(研究リサーチ)」を両輪とした活動だ。リサーチに力を入れる理由を、千葉氏は「設計を依頼されるのは予算や与条件の決定後が多いが、その前段階から入り、建築を生み出すメカニズム自体を考え直すことから新しいものができる」と説明する。