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自然素材を積極採用したビル改修で二酸化炭素排出量を85%削減。建築と自然の連関に注力した環境設計が新風をもたらしている。

(写真:山田 愼二)
(写真:山田 愼二)
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かわしま のりひさ 39歳
1982年生まれ。2005年東京大学卒業。07年東京大学大学院修士課程修了後、14年まで日建設計勤務。12年UCバークレー客員研究員。16年東京大学大学院博士課程修了、博士(工学)を取得。17年川島範久建築設計事務所設立。20年より明治大学理工学部建築学科専任講師。主なプロジェクトは、REVZO虎ノ門(デザインパートナー、20年)、渋谷本町の共同住宅改修(23年予定)、西落合のオフィスビル(24年予定)

 浅沼組は2021年9月、築30年の自社ビルを環境配慮型ビルにリニューアルした〔写真1〕。この名古屋支店の改修で浅沼組がデザインパートナーに指名したのが、川島範久建築設計事務所(東京都世田谷区)の川島範久氏だ。

〔写真1〕改修後の浅沼組名古屋支店のメインファサード。室内の土塗り壁などは同社従業員が自らの手でつくった。手や指の跡が残る(写真:車田 保)
〔写真1〕改修後の浅沼組名古屋支店のメインファサード。室内の土塗り壁などは同社従業員が自らの手でつくった。手や指の跡が残る(写真:車田 保)
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 既存躯体はそのままに、壁面を2.5m後退させるなどプランニングを見直して、自然採光と通風を確保。また浅沼組の愛知県の他現場で出た建設残土約12トンをアップサイクルした土塗り壁や還土ブロック壁を導入した。

 川島氏は「自然素材と人工素材を分離できるようにして、自然素材は土に帰せるように、人工素材はアップサイクルし続けられるようにした」と話す。外装の丸太は1本ずつ取り外せるようにして転用可能性を担保するなど、建築材料の循環を見直した。