渋谷ストリーム、渋谷スクランブルスクエア第I期など、建築家の関わる大規模プロジェクトとして進められた渋谷再開発の過半が、20年までに完成。現在は、その外側に向かって注目プロジェクトが広がる状況になっている。
渋谷駅周辺では、東急グループが2000年代に加速させた「100年に1度」と言われる大改造の主要プロジェクトが20年までに次々竣工〔図1〕。同グループは「第1フェーズがおおむね完了した」と位置付けている。
そのなかで東急グループは、渋谷駅中心の半径2.5kmエリアを対象に「Greater SHIBUYA(グレーターシブヤ)」と呼ぶ広域圏を設定。長期的な視点で街をブランディングする取り組みを続けてきた。21年7月、それまでの活動を「1.0」と位置付け、改めて「2.0」にバージョンアップしたコンセプトを公表した。
1.0段階では、スタートアップ支援などによる新たなビジネスの創出や、エンターテインメントの集積を強調していた。2.0で比重が高まるのは、「暮らす」というキーワードだ。「『遊ぶ』という渋谷最大の強みに、充実したオフィスが加わった。しかし、比較的近くに“住”の要素がある街なのに行き来は少なかった。それらの間の関係を強めたい」(東急渋谷開発事業部開発計画グループまちづくり戦略担当課長補佐の松原未佳氏)