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横浜市のみなとみらい21地区に都市型ロープウエーが出現した。ルートの一部は遊歩道の「汽車道」とも重なる。景観検討は約2年に及び、存在感を抑えた支柱デザインとした。

横浜市のみなとみらい21地区に2021年4月、ロープウエー「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」が開業(写真:安川 千秋)
横浜市のみなとみらい21地区に2021年4月、ロープウエー「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」が開業(写真:安川 千秋)
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 地上約40mの高さへと上昇するゴンドラの窓の外に、ランドマークタワーやベイブリッジなど横浜ならではの景色が次々と現れた。

 横浜市にある、みなとみらい21(MM21)地区で2021年4月、新たな観光交通手段として期待される「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」が開業した。JR桜木町駅前の広場と、赤レンガ倉庫がある新港ふ頭との間の約630mを、片道約5分でつなぐ〔写真13図1〕。遊園地でも山地でもなく、平地の港に出現した常設都市型の循環式ロープウエーだ。

〔写真1〕浮遊感を演出
〔写真1〕浮遊感を演出
遊歩道の「汽車道」から見た「YOKOHAMA AIR CABIN」。海上支柱は白を基本として、基礎部のグレーから先端の白色に向かって明度を上げるように段階的に塗り分けた。できる限り目立たせず浮遊感を演出している(写真:安川 千秋)
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〔写真2〕一部「汽車道」に重なるルート
〔写真2〕一部「汽車道」に重なるルート
ロープウエー整備前のみなとみらい21地区の様子。写真右下、赤レンガ倉庫などがある新港ふ頭に、運河パーク駅を新たに建設した(写真:泉陽興業)
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〔写真3〕冷房完備のゴンドラ
〔写真3〕冷房完備のゴンドラ
運河パーク駅側からの夕景。ゴンドラは最新式バッテリーを搭載し、冷房システムやLED照明に給電する。右手に見えるのは遊歩道の「汽車道」に保全した橋梁(写真:安川 千秋)
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〔図1〕海上支柱の配置は景観や水路に配慮
〔図1〕海上支柱の配置は景観や水路に配慮
縦断図(資料:泉陽興業の資料を基に日経コンストラクションが作成)
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平面図 周辺施設からの景観や水上交通に配慮し、3号柱と4号柱は約200m離して配置した。桜木町駅舎はロープ(索道)に対して斜めに配置し、駅前広場をできるだけ狭めないようにした(資料:泉陽興業の資料を基に日経コンストラクションが作成)
平面図 周辺施設からの景観や水上交通に配慮し、3号柱と4号柱は約200m離して配置した。桜木町駅舎はロープ(索道)に対して斜めに配置し、駅前広場をできるだけ狭めないようにした(資料:泉陽興業の資料を基に日経コンストラクションが作成)
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 横浜市は17年度に都心臨海部の回遊性向上を目指して、「まちを楽しむ多彩な交通の充実」に向けた提案を公募。11法人などの提案からロープウエーやオープントップバスといった4事業を実現している。

 ロープウエー事業はMM21地区で遊園地「よこはまコスモワールド」を運営する泉陽興業(大阪市)が提案し、選ばれた。民設民営方式で、建設費約80億円は同社が負担し、運営も担う。