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脱炭素社会の実現に向けて建築実務のルールが激変する。2022年1月20日、建築基準法や建築物省エネ法を大幅に見直す方針を示した報告書がまとまった。25年度をターゲットにした「脱炭素大改正」、その内容とは。

 「建築確認の申請や審査に影響はないのか」「建築士の負担が増えるのではないか」「作業量に見合った業務報酬基準の検討が必要だ」──。

 2021年末にかけ、国土交通省が開催した社会資本整備審議会建築分科会の建築環境部会と建築基準制度部会の合同会議で激論が交わされた。テーマは「脱炭素」。激論の末、両部会は、今後の住宅・建築物の省エネルギー対策と建築基準制度の在り方に関する報告書を取りまとめた〔図1写真1〕。

〔図1〕2025年度に向けた具体策を示す
〔図1〕2025年度に向けた具体策を示す
2025年度の省エネ基準適合義務化に向けて、社会資本整備審議会建築分科会がまとめた報告書では、建築基準法や建築物省エネ法を大幅に見直す考えを示した(資料:国土交通省)
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〔写真1〕取りまとめに向けて激論を展開
〔写真1〕取りまとめに向けて激論を展開
2022年1月20日に開催した建築環境部会と建築基準制度部会の合同会議の様子。臨時委員などを含めて30人以上の識者が議論した(写真:国土交通省)
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 これこそが、25年度の全建築物への省エネ基準適合義務化を含み、建築基準法や建築物省エネ法を大幅に見直す「脱炭素大改正」の方針だ。主なポイントは、「建築確認の見直し」「省エネ性能の引き上げ」「木材利用の促進」「既存ストックの長寿命化」の4つ。省エネ基準適合義務化を理由に、4号特例の縮小などの具体策も盛った。

 政府の脱炭素政策が、いよいよ建築界へ迫ってきた。国交省が21年12月から22年1月にかけて実施した報告書案に対するパブリックコメントで寄せられた意見数は、異例の851件に上った〔図2〕。

〔図2〕改正方針に賛否含めて高い関心
〔図2〕改正方針に賛否含めて高い関心
報告案に対するパブリックコメントで寄せられた意見の例(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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