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省エネ基準適合義務化に合わせ、「4号特例」の対象が大幅に縮小される。省エネ審査と同時に、戸建て住宅など小規模な木造2階建てでも確認申請時の構造審査が必須となる。仕様規定における必要壁量も増える。

 「建築基準法6条1項4号に該当する建築物について、建築士が設計を行った場合、構造耐力関係規定の審査は省略する」

 「4号特例」と呼ばれるこの審査省略制度が、省エネ基準適合義務化と同時に大幅縮小される。確認申請において構造種別の違いをなくし、木造も非木造と同様の扱いに改める。4号特例が続くのは構造種別を問わず、200m2以下の平屋建てのみとなる〔図1〕。都市計画区域外でも、階数2以上または延べ面積200m2超の建築物はすべて建築確認の対象となり、構造審査が行われる。

〔図1〕確認申請全体の60%以上に影響
〔図1〕確認申請全体の60%以上に影響
建築物の規模要件。カッコ内の数値は建築確認全体に占める比率だ。現時点では図の黄色部分に4号特例が適用され、70%以上の申請で構造関係の審査が省略されている。改正後は非木造と同じ扱いとなり、赤枠で囲んだ部分が審査省略の対象外になる(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 4号特例は建築士の業務独占を象徴する条項だが、その是非を巡っては欠陥住宅問題を中心として長年、議論が続いてきた。

 重大な構造瑕疵(かし)が争点となった建築紛争で、特例が建築士の盾となり、建て主側の責任追及や設計瑕疵の立証を阻んでいたためだ。日本弁護士連合会は特例の全面撤廃を求めている〔図2〕。

〔図2〕4号特例を巡る経緯
〔図2〕4号特例を巡る経緯
4号特例廃止は実務への影響が大きいとして、繰り返し先延ばしされてきた。一方、紛争で建築士側が証拠提出を拒めば設計瑕疵の立証は難しく、日本弁護士連合会は特例撤廃を繰り返し訴えている。日弁連は2021年12月、今回の見直し方針について「全建築物で構造審査を行うべきだ」と注文を付けた(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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