長引くコロナ禍でテレワークや休校・休園が相次ぎ、“おうち時間”が増えた家庭は多い。互いの視線や音の干渉、作業スペースや居場所の取り合い、運動不足……これまでとは違った新たな家庭のお悩みが出てきている。家族皆で長時間過ごしても、快適に仲良く暮らせる住宅には何が必要なのか。子育て世帯への支援に国が本腰を入れている今、進化している「キッズ住宅」を考えてみよう。

進化系キッズ住宅
コロナ禍で増えた“おうち時間”を快適に
目次
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外出自粛で子ども環境に変化 事業者の商品開発も過熱
子ども関連政策を積極的に進める政府に対し、事業者も子育て世帯に向けた商品開発を活発化させている。コロナ禍で家族の生活様式は変容し、設計者も「キッズ住宅」の考え方をアップデートすることが必要だ。
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ハウス・イン・ハウスの秘密基地 再改修で子ども部屋をつくる
RIKUBUN(東京都)
14年前の改修時点で2歳だった娘が、高校生になり、子ども部屋が欲しいと願った。玄関脇のスペースを小屋風に壁で囲み、独立した空間を再改修で実現。設計したブルースタジオは2回の改修の連続性にこだわった。
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キッズデザインの先達に聞く 子育て住宅の設計ポイント
家庭によって子どもの育て方は千差万別。しかも子どもは大きくなれば好みや性格が変わることもある。家族の成長や変化に住宅でどう対応できるか。環境行動研究を専門とする早稲田大学の佐藤将之教授と、設計実務で子育て住宅を手掛けてきた成瀬友梨氏の2人に「キッズ住宅」のポイントを聞いた。
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家事と子育てとテレワーク 3つの理想がかなう家
田形邸@国領 リノベーション工事(東京都調布市)
コロナ禍で在宅時間が増え、ケンカが増えたという家庭は少なくないようだ。田形家はそんな状況を変えるため、マンション住戸を購入して改修。家事も子育てもテレワークも考慮した、理想の家が完成した。
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ボルダリング壁と雲梯で楽しく 日々の暮らしに遊具を組み込む
Y邸(東京都北区)
幼い姉弟が運動を楽しめる仕掛けを生活空間にちりばめた。築約25年の住宅を改修するに当たって設計者は、建て主から要望のあった遊具類を配置するだけでなく、室内動線と連動させて限られたスペースの活用を試みた。
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子育て住宅向けの工夫が光る 最新お役立ち製品を一気見せ
子どもが自宅で安全・安心に、そして楽しく暮らせるように、導入を検討してみたい建材やグッズを選んだ。最近は断熱性や安全性に配慮した窓や網戸などの建材でも新築住宅に限らず、部分的なリフォームで取り入れられるものが増えた。「こどもみらい住宅支援事業」といった国の政策の対象になる製品も登場した。
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国が子育て住宅に補助金 鍵は「安全確保」と「交流」
共同住宅を対象に、子育て世帯に向けた環境整備を促す国の補助事業が始まった。住宅内での事故防止や、不審者の侵入防止を目的とする「安全確保」と、「交流施設の設置」という2本立ての構成だ。