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14年前の改修時点で2歳だった娘が、高校生になり、子ども部屋が欲しいと願った。玄関脇のスペースを小屋風に壁で囲み、独立した空間を再改修で実現。設計したブルースタジオは2回の改修の連続性にこだわった。

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 「実は自分の部屋が欲しいと、ずいぶん前から思っていたみたいだ」。16歳になった娘を持つAさんは、そう振り返る。玄関入ってすぐの土間を改修し、小屋風の子ども部屋を追加した〔写真12〕。ポストの赤色や、表札デザインなどは娘が自分で選んだ。今ではすっかり子ども部屋の中で過ごすことが多くなったという。

〔写真1〕玄関脇に完成した子ども部屋
〔写真1〕玄関脇に完成した子ども部屋
マンション住戸を再改修した「RIKUBUN」。玄関脇の土間スペースに子ども部屋を新たにつくった。小屋風で、ハウス・イン・ハウスの魅力を体現したデザインだ(写真:千葉 芳敬)
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〔写真2〕玄関からリビングまで土間が続く
〔写真2〕玄関からリビングまで土間が続く
玄関から入って廊下を見通す。床の土間仕上げやモルタル壁など、外部空間のようなつくりにしている。写真の左手前が子ども部屋、その奥に白いクローゼットがある(写真:千葉 芳敬)
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 子ども部屋の追加は、この家にとって2度目の改修となる。家族は3人暮らしで、1972年竣工のマンションを購入したのは約14年前だ。民芸品や昭和レトロな家具を好むAさんは、当時のリノベーションブームに関心を持ち、ブルースタジオ(東京都中央区)に改修設計を依頼した。