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原料・燃料の高騰で、建材・設備の値上げが相次ぐ。サンゲツは2021年に続き、半年間で2回の値上げ。同社は設立以来、今回を含め6度しか値上げしていない。異例の事態だ。安田正介社長への取材を基に真因をひもとく。

 建設資材の高騰は、木材や鋼材にとどまらない。内装材や設備などあらゆる建材で値上げが相次ぐ〔図1〕。

〔図1〕内装材、外装材、設備の値上げ一覧表

内装材
内装材
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外装材
外装材
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設備
設備
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日経アーキテクチュア21年11月25日号「採用したい建材・設備メーカーランキング2021」に掲載したメーカーを中心に、21年10月以降に実施の値上げ情報を収集。内装材、外装材、設備の3つに分類して表にまとめた(資料:日経アーキテクチュア)

 内装材大手のサンゲツは、2021年9月に続き、半年間で2度目の値上げに踏み切った。この状況を、三菱商事で長年、化合物の調達に携わってきた安田社長はどう見るのか。

 「値上げの主な理由は原料価格の高騰や物流コストの上昇だが、供給網の各段階で内装業界が慢性的に抱えている構造的な問題がある」と安田社長は指摘する〔写真1〕。

〔写真1〕「このままでは日本の内装業界が総倒れ」
〔写真1〕「このままでは日本の内装業界が総倒れ」
サンゲツの安田正介社長は、三菱商事で機能化学品本部長を務めた化合物のスペシャリストである。内装材の供給網から業界が慢性的に抱える課題を指摘する(写真:サンゲツ)
安田 正介(やすだ しょうすけ)
サンゲツ代表取締役社長執行役員
1950年生まれ、東京都出身。一橋大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。執行役員機能化学品本部長、常務執行役員中部支社長を経て、2012年にサンゲツの社外取締役に就任。14年代表取締役社長、16年より現職