国家資格
建築施工管理技士
「技士補」登場で敷居が下がる
施工技術に関する指導的技術者として位置付けられる建築施工管理技士は、施工者にとって不可欠の資格だ。建築施工管理技士は、一般建設業や特定建設業の営業所ごとに設置が必要な専任の技術者、工事現場への設置が必要な主任技術者などに就くことができる。1級は一定規模以上の工事現場に求められる「監理技術者」にもなれる。
設計者にとっても、仕事のチャンスを広げるために有用な資格の1つとなっている。例えば、2021年度の第2次検定では、設計事務所の勤務者が1級と2級を合わせて200人近く合格した。
1次合格で技士補に
建築施工管理技士には1級と2級の区分がある。2級は主任技術者として「建築」「躯体」「仕上げ」工事のうち合格した分野を担当できるのに対し、1級は監理技術者として全工事を担当できる。
いずれの級も、建設業法に基づいて実施される施工管理技術検定の第1次検定に合格すると「施工管理技士補」、第2次検定に合格すると「施工管理技士」の資格がそれぞれ与えられる。登録などの必要はなく、資格に有効期限はない。
このうち「技士補」の資格は、21年4月の施工管理技士制度の改正で登場した。建設業の担い手不足に対応した法改正、いわゆる新・担い手3法の施行に伴うもので、現場の負担軽減と担い手の増加を目指している。1級技士補は監理技術者の職務を補佐できるため、技士などの監理技術者が2つの現場を兼務できるようになった。
また法改正では、1級の受検要件も緩和。2級の第2次検定合格者が1級の第1次検定を受ける際、1級の受検に必要な実務経験を不要とし、合格後すぐ受けられるようにした。
検定を受けるための条件は、1級と2級で異なる。
1級では、学歴や建築士資格などに応じて必要な実務経験の年数を定めている。1級建築士は、一定要件を満たしていれば第1次検定が免除される。2級の場合、第1次は17歳以上であれば誰でも受けられ、第2次は学歴などに応じて求められる実務経験の期間が1級に比べて短い。
1級の第1次検定は6月。建築学等、施工管理法、法規に関する択一式だ。第2次検定は10月で、施工管理法に関する択一式と記述式で構成する。2級は第1次だけの受検は年2回の日程があり、前期は6月、後期は11月。第1次との同時受検を含めた第2次は11月に実施する。