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基礎と土台の不整合も

 違反建築の取り締まりに長年当たってきた堺市建築防災推進課の石黒一郎・宅地建築安全推進担当は「壁量不足が発生しやすい例として、必要壁量の算定に用いる面積の取り方の間違い」を挙げる。過去の違反事例では、地震力の必要壁量に用いる床面積に、本来算入すべき1階の屋内駐車場を除外していた。風圧力の必要壁量算定に用いる見付け面積も、外郭線ではなく柱の芯々で取っていた〔図7〕。

〔図7〕必要壁量に計算ミス
〔図7〕必要壁量に計算ミス
地震力と風圧力の計算を誤り、必要壁量の値にミスが生じていた壁量計算書。1階は正しい必要壁量の値を存在壁量が下回っていた(資料:石黒一郎氏への取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 増改築の現場では、壁量計算の範囲を誤り壁量不足を招いたケースがある。増改築箇所を2カ所に分けていた現場だ。本来は2カ所別々に必要壁量を満たさなければならないのに合算していた〔図8〕。

〔図8〕壁量計算する範囲を誤る
〔図8〕壁量計算する範囲を誤る
カノムが欠陥の原因調査を手掛けた増改築現場で発生していた壁量計算ミスの概要。壁量計算する範囲を誤っていた(資料:カノムへの取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 基礎と土台でよくある設計ミスは、土台の下に基礎がないことだ〔図9〕。建築基準法施行令42条に違反する。第三者検査を手掛けるタウ・プロジェクトマネジメンツ(大阪府豊中市)の高塚哲治代表は「土台伏せ図と基礎伏せ図の不整合に原因がある」と話す。

〔図9〕土台の下に基礎がない
〔図9〕土台の下に基礎がない
タウ・プロジェクトマネジメンツが欠陥住宅の原因調査を手掛けた現場。土台伏せ図と基礎伏せ図が不整合だった。右は基礎が施工されていない土台部分(資料:タウ・プロジェクトマネジメンツ)
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