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ロボットテクノロジーで「苦役」を無くす
02 人機一体
設立:2007年 資本金:2億2900万円 従業員数:14人

 立命館大学発のベンチャー企業である人機一体(滋賀県草津市)は、遠隔操作式の人型重機で知られる。ロボット技術を活用し、過酷な肉体労働や危険な場所での作業といった「苦役」を無くすことを目指す。

 2022年3月にはJR西日本や日本信号と開発している高所重作業用の「空間重作業人機」の実用レベル試作機「零式人機 ver.2.0」などをお披露目し、見学者の度肝を抜いた。

 専用に改造した高所作業車のブーム先端に人型ロボットの「零式人機 ver.2.0」を取り付け、高所作業車のコックピットに設置した「人機操作機 ver.5.0」を使って地上から遠隔操作する仕組みだ〔写真1〕。

〔写真1〕地上からロボットを操作して高所作業が可能
(写真:JR西日本)
(写真:JR西日本)
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(写真:JR西日本)
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人機一体とJR西日本、日本信号が共同で開発している「空間重作業人機」の実用レベル試作機。操縦者が地上にいながら高所作業ができる。2024年春の実用化を目指す

 人機一体代表取締役社長の金岡博士氏は「関節の動きや手足の数、頭の位置など、人と近い形の方が操作しやすい」と人型の優位性を説く。

 同社は自らをロボットメーカーではなく、先端ロボット工学に関する知的財産を開発してビジネスを展開する「知識製造業」と定義している。人型重機を量産して販売するのではなく、自社の知的財産を活用し、様々な企業に対して製品化のコンサルティングサービスを提供する。

 同社のコア技術の1つが「力制御・トルク制御技術」だ。

 一般的な産業用ロボットは座標による位置制御で動いているにすぎず、対象物の硬さや形状に応じて力を加減するのが難しかった。しかし、同社の技術を使ったロボットは、微妙な力加減を実現できるため、人のように未知の対象物を自在に扱うことができる。