全1697文字
PR

JR姫路駅前から姫路城へ真っすぐ続く全長約830mの大手前通り。4車線の車道の両側にそれぞれ幅約16mの自転車歩行者道を備える。兵庫県姫路市は、実証実験でつくった景色を新制度の活用で日常化しようとしている。

 地域の人が歩道のベンチに腰掛け、飲食やおしゃべりをゆったりと楽しめる空間──。その姿を日常化すべく、姫路市は、2021年2月に中心市街地のメインストリートである大手前通りをほこみちに指定した。

 沿道の事業者有志による組織「大手前みらい会議」は既に、この通りを活用する社会実験「ミチミチ」を済ませている〔写真1〕。2019年11月に1カ月間と、20年12月から約1年間の計2回。地元の人の通勤・通学用か、姫路城を訪れる観光客の通過動線にすぎなかった大手前通りに人々が滞留し得るかを確かめた。

〔写真1〕やぐらに上がって視点の変化を楽しむ
〔写真1〕やぐらに上がって視点の変化を楽しむ
2019年11月の1カ月間、大手前みらい会議が主催した社会実験「ミチミチ」の様子。歩道にやぐらを設置し、視点の変化を楽しめる仕掛けとした(写真:姫路市)
[画像のクリックで拡大表示]

 1回目の社会実験では、非日常性のあるイベントによる集客を試みた。通りにベンチややぐらを設置して客を迎えた他、沿道以外の飲食事業者なども露店を出した。露店では思うように売り上げが上がらなかったものの、沿道の店舗の売り上げは増加。地域にとっては道路活用のメリットがあることを把握できた。

 2回目は、方針を転換して日常利用にフォーカスした。憩いの場としてゆったり滞留してもらうために、やぐらや人工芝を敷いたストリートファニチャーなどを設置した〔写真2〕。平常時よりも1人当たりの平均滞在時間が増えた他、休日にはストリートファニチャーが子どもの遊び場になるなど、人々の居場所となった。

〔写真2〕日常的な利用を狙った2回目の実験
〔写真2〕日常的な利用を狙った2回目の実験
コロナ禍の最中の20年12月から22年1月、大手前みらい会議が主催した、2回目の社会実験「ミチミチ」。やぐらや人工芝を敷いたストリートファニチャーなどを設置し、人々の滞留行動を誘発させた(写真:姫路市)
[画像のクリックで拡大表示]