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愛知県岡崎市の乙川リバーフロント地区。初期段階で地元NPOが奔走し、公民連携の推進体制をスピーディーに築いた。多彩な実践者を各地から招き、河川、公園、道路の三拍子そろったまちづくりに成果を示し始めている。

 名鉄東岡崎駅の北側にある旧中心市街地「康生地区」〔写真1〕。1990年代には衰退の道を歩んでいた。その再生に向け、岡崎市は2014年に「乙川リバーフロント地区整備計画」を策定した。5カ年計画で約100億円を投じる巨額整備を、全市民が歓迎したわけではない。ハードが先行し、使い手不在となる懸念の声が上がり、報道もされた。そこで重要な役割を果たしたのが、中間支援団体である岡崎まち育てセンター・りたの若手職員だった〔写真2〕。

〔写真1〕延長約320mの新緑道が誕生
〔写真1〕延長約320mの新緑道が誕生
名鉄東岡崎駅の北側に位置する乙川リバーフロント地区。整備計画のなかの基幹プロジェクトの1つである中央緑道リニューアルの対象は、延長約320mに及ぶ。歩道、車道、中央緑道を一体で再整備した(写真:吉田 誠)
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〔写真2〕これからの世代に関心を持ってもらう
〔写真2〕これからの世代に関心を持ってもらう
左は岡崎まち育てセンター・りた事務局長の天野裕氏。「当初、市民の“関わりしろ”が見えない問題があった。大きなストーリーを描き、これからの世代に関心を持ってもらわないと未来はないと感じていた」と語る。右は岡崎市都市政策部都市施設課QURUWA戦略係長の中川健太氏(写真:日経アーキテクチュア)
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 住民参加ワークショップ(WS)の実績を持つりたに、整備計画の一部である中央緑道に関するWS運営の相談が舞い込んだ。これに対し、エリア全体のビジョンを市民との対話で検討するところから始めたいと、りた側が発案。市が受け入れた。

 りたの事務局長・天野裕氏と同まちづくり部門マネジャー(当時)の山田高広氏は、けん引役となり得る実践者に協力を打診。リノベーションまちづくりを推進する都市再生プロデューサーの清水義次氏(アフタヌーンソサエティ代表取締役)、水都大阪プロジェクトで水辺再生を主導した泉英明氏(ハートビートプラン代表取締役)、建築家の藤村龍至氏(東京芸術大学准教授)などが会議体に加わる体制づくりに尽力した。