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透明なガラスが波のようにうねる。清水建設が2021年に発表した「3次元曲面ガラススクリーン構法」の実大モックアップだ。一般的な曲面ガラスを超えた曲率を実現したこの技術は、実用化に向け、詰めの検証に入っている。

 3次元曲面ガラススクリーンの実大モックアップは、高さ5m×幅3mの壁面を模したもの。面外方向へ最大で30cm曲げ、うねるような形状を実現した。一般的な曲面ガラスよりはるかに曲率が高い〔写真1〕。

〔写真1〕ガラスが面外方向へ飛び出る
〔写真1〕ガラスが面外方向へ飛び出る
清水建設が開発した3次元曲面ガラススクリーン構法のモックアップ。高さ5mの壁面は大きく曲げられ、手前方向に約30cm飛び出ている。ガラス部材は厚さ8mmの2枚のガラスに中間膜を挟んだ合わせガラス。このモックアップはFEM解析の妥当性検証のため破壊試験に使用したため、現存しない(写真:清水建設)
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(資料:清水建設)
(資料:清水建設)
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 開発に当たったのは清水建設技術研究所。建築物のファサード向けとして、2枚の強化ガラスに中間膜を挟み込んだ合わせガラスとした。この技術について、同研究所の松尾隆士主任研究員は、「ガラスの強化技術に最大のポイントがある」と語る。

 一般的に「強化ガラス」といわれているのは、熱処理と急冷によりガラス表面の強度を上げる「熱強化ガラス」。今回、清水建設が採用したのは、スマートフォンのタッチパネル面などに使われる「化学強化ガラス」だ。薬液処理によりガラスの成分を置換し、ガラス表面の強度を高める技術となる。