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都心で立ち上がっている一般的な大規模超高層ビルは、外装が四周で計4万m2程度といわれる。省エネや創エネの余地が残る、ファサードにかかる期待は大きい。脱炭素化に向けた開発競争はさらに熱を帯びてくる。

 「ガラスによる省エネは熱貫流率(U値)を下げるしかない。国内では住宅や高層ビルを中心にLow-E複層ガラスの導入が広がった。さらにU値を下げるためには、技術的課題を残しつつもガス入り複層ガラスの採用が増えることになるだろう」と、日本板硝子建築ガラス事業部門開発部の久田隆司部長は予想する。

 国内におけるガラスの変遷をひもとくと、古くは1970~80年代に単板の熱線反射ガラスが多く使われていた〔図1〕。2000年代から建物外皮の省エネ性能が定量的に求められ、10年以降は断熱複層ガラスやLow-Eガラスなどの高性能化が進んだ。

〔図1〕3層レベルの性能へ近づく
〔図1〕3層レベルの性能へ近づく
これまでは断熱化、複層化が進んできた。今後はガス入り複層ガラスに移行すると日本板硝子の久田隆司部長は予測する。ただし、「日本では3層ガラスにそれほど移行しないだろう。海外と違い強化ガラスを使わないので、3層だと重量が2倍になりカーテンウオールの見付けや見込みも大きくしなければならないからだ」と説明する(資料:日本板硝子)
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 「ガス入りなど高性能になるほど単板に比べると寿命は短くなる。数十年後、ガス入り複層ガラスでどのような不具合が出るか、まだ分からない部分もある」(久田部長)。そのため、将来メンテナンスしやすい設計が欠かせないと指摘する。