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5地域、UA値=0.18

「雪国ハーフ住宅」は外皮平均熱貫流率(UA値)が0.18と、5地域の断熱等級7で想定する0.26を大きく上回る。高性能の断熱材や窓にかかる費用を捻出するため、建物の面積を抑えワンルーム化するなどの工夫を施した。

 ネイティブディメンションズ(新潟市)が設計、サトウ工務店(新潟県三条市)が施工を手掛けた雪国ハーフ住宅は、UA値が0.18という高い断熱性能を確保しながら、工事費を建て主の予算3000万円に収めた。

 UA値0.18を達成するため、外壁に付加用断熱材のフェノールフォームや樹脂サッシ3層複層ガラスなど、値段の高い製品を採用している。こうしたコストアップ分を予算内に収める方法として、建て主に示した提案の1つは、ワンルームに近い間取りにすることだ〔写真12〕。間仕切り壁と建具の工事費を削減できるほか、エアコンも各階1台で賄える。

〔写真1〕玄関と寝室が直結
〔写真1〕玄関と寝室が直結
玄関から1階の主寝室を見た様子。玄関と寝室が廊下や間仕切り壁なしでつながる。写真右下が玄関のたたきになる(写真:鈴木 亮平)
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〔写真2〕室内はワンルームに
〔写真2〕室内はワンルームに
2階のキッチンから見たリビング。2階もほぼワンルームの間取りだ(写真:鈴木 亮平)
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 「建て主は2人暮らしなので、住んでみて必要に応じて間仕切り壁や建具を取り付けることを提案した。完成後、個室に仕切る案をいくつか示して説明した」とネイティブディメンションズの鈴木淳代表は話す。

 もう1つの提案は、建物の延べ面積を約80m2と小さくしたことだ〔写真3〕。これで削減したコストを、断熱工事費に回した。「家が小さいと光熱費や維持費が安く済む。1世帯当たりの人数は減っているので、今後は小さな家のニーズが高まる」とサトウ工務店の佐藤高志代表は話す。

〔写真3〕24坪に延べ面積を抑える
〔写真3〕24坪に延べ面積を抑える
南西側の外観。建物の延べ面積を80m2(24坪)程度に抑える。窓は遮熱型の樹脂サッシLow-E3層複層ガラスを採用。遮熱型にしたのは、新潟県は冬の日照時間が短く、夏は猛暑になるためだ(写真:鈴木 亮平)
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 建て主は完成した住宅に満足している。「当初、延べ面積が30~35坪で間取りが3LDKの家を建てるイメージだったので、住宅会社の提案に戸惑った。しかし、住んでみると狭さは感じない。断熱性能も住宅会社の提案に従った。玄関とつながる寝室だけでなく、家のどこに居ても温度差を感じず快適だ」という。