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厳しい受注環境が直撃した建設会社の2021年度決算。日経アーキテクチュアの経営動向調査では、回答企業の約半数で建築売上高(単体)が減少した。営業減益は6割超だ。大手では、大型建築工事での採算悪化が目立つ。

 建設会社の2021年度決算(単体)で建築売上高が前期を下回ったのは、日経アーキテクチュアの調査に回答した74社(20年に決算期を変更した鴻池組は除く)のうち38社。約51%が減収だった。6割超が減収だった20年度決算に続き、売り上げの確保に苦しむ企業が少なくなかった。

 利益面では、さらに苦戦を強いられた。74社のうち、約62%に当たる46社が営業減益だった。東京五輪関連の特需などで各社が毎年のように増収増益を達成していた数年前の経営環境とは、隔世の感がある。

 建築売上高ランキングの上位10社では8社が増収だった〔図1〕。ただし、利益に目を向ければ10社中7社が営業減益という惨憺(さんたん)たる状況だ。

〔図1〕上位10社中8社が増収

(資料:日経アーキテクチュア)
(資料:日経アーキテクチュア)
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日経アーキテクチュアの経営動向調査に回答した建設会社の2021年度建築売上高(単体)トップ10。 11位以下を含むランキングと調査概要

 特に減益幅が大きいのは大林組で、前期比95.3%減の約44億円。清水建設も61.3%減の約349億円だった。主な理由は、国内大型建築工事などの採算悪化による工事損失引当金の計上。建築の完成工事総利益率(粗利率)を見ると、大林組は前期から7.6ポイント減の3.6%、清水建設は5.9ポイント減の2.8%という低水準だ〔図2〕。

〔図2〕建築工事の粗利率が低下

大手5社の建築工事の完成工事総利益率(粗利率)。竹中工務店の22年度の予想は、建設事業全体の値(資料:各社の決算短信などを基に日経アーキテクチュアが作成)
大手5社の建築工事の完成工事総利益率(粗利率)。竹中工務店の22年度の予想は、建設事業全体の値(資料:各社の決算短信などを基に日経アーキテクチュアが作成)
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清水建設と大林組の粗利率が急低下。「受注競争が厳しいとはいえ、あそこまで落ち込むとはね」と冷ややかな目を向けるゼネコン幹部も

 両社の営業減益を招いたのは、受注時の見通しの甘さだといえる。VE(バリューエンジニアリング)などによる採算性向上を見込んで安値受注した国内の大型建築工事で、発注者に提案が受け入れられなかったことなどが災いしたという。