大手を中心に増収減益が目立った建設会社の2021年度決算(単体)。コロナ禍に加え、資材高騰や円安の進行などで不透明感が増す22年度の業績を、各社はどのように予想しているのか。日経アーキテクチュア調査を基に読み解く。
日経アーキテクチュアの調査に回答を寄せた建設会社の6割が、2022年度に建築売上高の増収を予想している。一方、営業増益を見込むのは約31%にすぎず、5割弱が減益予想。今期も21年度決算に続き、利益の確保に苦労する企業が多そうだ〔図1〕。
22年度の受注高はどうか。全体では47社中19社が増加、19社が横ばい、9社が減少と予想し、増加が減少を大きく上回った。ただし、建物用途別に見ると濃淡がある。生産施設や倉庫・物流施設は21年度に続いて好調を維持しそうだが、庁舎・事務所は受注を減らす企業が多くなる見込みだ〔図2〕。
もっとも、戦略的に受注量を抑える方針の企業もある。21年度決算の営業利益が前期比61.3%減の約349億円だった清水建設は、23年3月期の建築受注高を約11.9%減の1兆100億円と予想する。「利益を犠牲にせず、採算重視で臨む」(清水建設の山口充穂経理部長)