
実例に学ぶ 防耐火の勘所
目次
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準延焼防止建築物を木の現しで
燃えしろ設計を用いなくても柱や梁を木の現しにできる「準延焼防止建築物」。この規定を適用した事務所「日刊木材新聞社新社屋」(東京都江東区)を紹介する。一部、燃えしろ設計を併用したのが特徴だ。
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スギ大径材を活用した保育園
スギの大径材を使った日本農林規格(JAS)の構造用製材で燃えしろ設計した保育園がある。千葉県流山市で完成した「くすの木保育園」だ。準耐火の性能をランクアップして設計の自由度を高めている。
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事務所初の延焼防止建築物
延焼防止建築物とは、耐火建築物の代わりに75分準耐火構造を用いた建物だ。2019年施行の改正建築基準法で登場した。この規定を初めて適用した事務所ビル「KAZAGURUMA」(山口県防府市)を紹介する。
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RC造に木造3層重ねたホテル
鉄筋コンクリート(RC)造の上に木造3層を重ねたホテルを紹介する。木造の階は、汎用性の高い告示仕様の耐火構造とした。RC造の階は、客室ごとの防火区画で内装制限を適用除外として木質化を図った。
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地元製材で建てた5000m2庁舎
地元の製材でつくった組立柱(くみたてはしら)や合わせ梁を燃えしろ設計した庁舎がある。「京丹波町役場新庁舎」(京都府京丹波町)だ。スプリンクラーを設置するなど火災安全性に配慮して木材現しの豊かな空間を実現した。
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鉄骨造にCLT耐震壁を組み込む
鉄骨造の耐火建築物にCLT耐震壁を現しで用いた「兵庫県林業会館」(神戸市)を紹介する。CLT耐震壁が燃えた際、鉄骨造の柱や梁への影響を実験で検証。耐火安全性に配慮したディテールが特徴だ。
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吹き抜けを木現しとした事務所
連載第2回は、準耐火建築物の事務所ビル「住友林業筑波研究所新研究棟」(茨城県つくば市)を紹介する。エントランスの大空間や、集成材やLVLの構造躯体を燃えしろ設計とした点が特徴の建物だ。
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1万m2超の木造現し小学校
木造建築に関する国の基準づくりに関わり、実務者として数多くの木造建築の設計を手掛ける桜設計集団の安井昇代表。安井代表が「この設計は秀逸だ」と認める建物を例に、防耐火設計の勘所を解説する。