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地元の製材でつくった組立柱(くみたてはしら)や合わせ梁を燃えしろ設計した庁舎がある。「京丹波町役場新庁舎」(京都府京丹波町)だ。スプリンクラーを設置するなど火災安全性に配慮して木材現しの豊かな空間を実現した。(日経アーキテクチュア)

京丹波町役場新庁舎(2021年)
  • 所在地=京都府京丹波町蒲生蒲生野487-1
  • 地域・地区=都市計画区域、非線引き区域、法22条区域
  • 発注者=京丹波町
  • 設計=香山建築研究所
  • 施工者=大成建設+京丹波木材供給共同企業体
  • 構造=木造および鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
  • 耐火性能=45分準耐火構造
  • 階数=地上2階
  • 延べ面積=4912.41m2

 京丹波町庁舎は、法22条区域に立つ2階建ての庁舎だ。防火地域や準防火地域以外に立つ2階建て庁舎は、建築基準法21条(大規模の建築物の主要構造部など)の規定により設計する。建基法27条(耐火建築物または準耐火建築物としなければならない特殊建築物)や建基法61条1項(防火地域および準防火地域内の建築物)の規定はかからない。

 建基法21条1項より建物高さ16m以下であれば「その他建築物」で設計できる。

〔写真1〕地元製材を現しで用いた待合ロビー
〔写真1〕地元製材を現しで用いた待合ロビー
2層吹き抜けの待合ロビー。イ準耐火建築物(45分)として、区画のない見通しの良い空間を実現した(写真:小川 重雄)
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