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未曽有の資材高騰が、各地の建築プロジェクトに波紋を呼んでいる。2025年の大阪・関西万博で大阪府・市などが出展する大阪パビリオンでは、建設費が想定より約40億円も増える見込みとなり、激震が走った。

 「物価の高騰と屋根の見積もりについて、判断として少し甘い部分があった」。大阪府の吉村洋文知事は、22年10月11日の会見で、反省の弁を述べた。大阪パビリオンの建設費が当初の想定より約40億円も上振れして、約115億円となる見通しとなったからだ。府と市は10月中旬にそれぞれ、建設費を増額する補正予算案を議会に提出した〔図12〕。

〔図1〕本館棟は鉄骨と木材のハイブリッド構造
〔図1〕本館棟は鉄骨と木材のハイブリッド構造
大阪パビリオンの正式名称は「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」。東畑建築事務所が基本設計を手掛けた。2階建てで、延べ面積は約6300m2だ(資料:2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会)
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〔図2〕建物のテーマは自然を感じる「環境共生建築」
〔図2〕建物のテーマは自然を感じる「環境共生建築」
大阪パビリオンの1階平面図。中央に設けるアトリウムでは、水の中にいるような幻想的な空間をつくる。展示では先端的な医療技術を体験したり、未来の健康体験を受けたりできる予定だ(資料:2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会)
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 資材高騰などによる建設費の上振れ問題が浮上したのは8月ごろ。発注業務を担う一般社団法人「2025年日本国際博覧会大阪パビリオン」(以下、社団法人)が実施した建設工事に関する公募型プロポーザルで、応募者の竹中工務店が約195億円という見積もりを提案したのだ。

 5月公表のプロポーザル実施要項では、事業費の参考額として約74億円を提示しており、約121億円もの開きが判明した。