生コンクリート価格の天井が見えない。2020年10月に比べて25%以上も上昇した。それでも価格転嫁に苦しむ生コンメーカーからは悲鳴が上がる。資材高騰で綻びをあらわにした商習慣を見直すため、各所で改革が始まった。
生コンの価格はこの2年間で段階的に上がってきた。建設物価調査会によると、22年10月の東京17区現場持ち込み価格は1m3当たり1.78万円。これだけ値上げが続いても、生コンメーカーは原材料や燃料の高騰で火の車だ〔図1〕。
「製造および運搬コスト等と組合員実手取り額との差異は、100億円規模となり、これが全て生コン工場の負担となる」。東京地区生コンクリート協同組合は9月13日、このように窮状を訴え、旧契約分の生コンの値上げに踏み切ると発表した。対象は17年12月1日~22年5月31日に契約を結んだ生コンで、1m3当たり500円、価格を引き上げる。
東京生コン協組は22年6月1日の契約分から、1m3当たり3000円という過去最大の値上げを実施したが、旧契約分を値上げするのは今回が初めて。なぜこのような事態に追い込まれたのか。生コンの商流をひもとけば、原因が見えてくる。