発注者が自社の建物に採用する建材に着目し始めた。気候変動リスクへの対応などSDGs達成に向けた取り組みを、消費者や株主にアピールする狙いがある。今後、建材メーカーに対応を求める動きが加速しそうだ。
イオンモール(千葉市)は、2022年10月に開業した「イオンモール土岐」(岐阜県土岐市)で、ウッドデッキ材や壁の内装材などにリサイクル建材を多数採用。このことを来客者にピーアールしている〔写真1〕。7月に増床工事を開始した「イオンモール太田」(群馬県太田市)では、撤去した既存の舗装材を粉砕して新たな舗装材として再利用した〔写真2〕。
これらの事例は、イオンモールが6月に発表した、「建設分野のSDGs実現に向けた資源循環システムの構築」を実践するものだ〔図1〕。建物の新築からリニューアル、解体に至る過程での建築資材の廃棄をなくし、バージン建材を使わないことを最終目標とする。そのためイオンモールは、メーカーに製品のリサイクル対応を強化するよう求めている。「40年までの実現を仮定して、何を変えればいいか。製造過程まで踏み込んで、建材メーカーや建設会社などにヒアリングしている」と、同社地域サステナビリティ推進室の渡邊博史室長は話す。竹中工務店と専門工事会社1社がこうした作業に協力している。