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2022年に大きな話題を呼んだ「インクルーシブ」という言葉。これを旗印に掲げた施設が山形に出来上がったことで、インクルーシブの考え方が広く伝わり始めている。

(写真:北山 宏一)
(写真:北山 宏一)
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木村 仁大(きむら よしひろ)
1981年生まれ。日本大学山形高等学校卒業。2004年シェルター入社。経営企画室、建築事業部、KES営業開発部を経て、15年常務取締役、16年専務取締役。20年から代表取締役社長

 山形市の外れに位置するが、この屋内型児童遊戯施設を見るために、全国から大勢の人が詰めかける。建築関係者だけではなく、福祉・教育関係者など分野もさまざまだ。現在、「インクルーシブ」をうたう公園や遊具はあっても、屋内型施設は国内に類例がないからだ。

 インクルーシブという概念の認知を一気に高めた「シェルターインクルーシブプレイス コパル」は、2022年4月にオープンした〔写真1〕。シェルター(山形市)は施工を担うとともに、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)事業者の代表企業も務めている。同社代表取締役社長の木村仁大氏は「インクルーシブの考え方を多くの人に知ってもらうことが大事。だから施設名にも入れた」と話す。

〔写真1〕障害児も健常児も隔たりなく遊べる
〔写真1〕障害児も健常児も隔たりなく遊べる
木製アーチ梁によるドーム天井が架かる遊戯場。建物と遊具は一体につくられている。木村氏は設計者の大西麻貴+百田有希/o+h(東京都中央区)に声を掛けられ、コパルの建設、さらに運営にも関わることになった。延べ面積は全体で3175.9m2(写真:北山 宏一)
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