2021年のウッドショックと、22年のウクライナ危機に伴うロシア産材の禁輸措置で、輸入材の抱えるリスクが顕在化した。林野庁は有事に備え、21年時点で41.1%にとどまる木材自給率を引き上げようとしている。
ただし、国産材と輸入材の価格は拮抗してきた。しばらく前まで欧米の輸入材は日本への到着が滞っていたが、新築住宅の受注減速と重なるタイミングで一気に日本に到着し、国内在庫が増加したのが一因だ。こうした状況下で、国産材活用は進むのか。材種別に分析しよう〔図1〕。
集成材の国産材比率は増えそうだ。三栄建築設計とオープンハウスグループ、ケイアイスター不動産が21年4月に設立した日本木造分譲住宅協会が、国産材を用いた集成材の需要を増やしているからだ。同協会は国産材のサプライチェーン構築が目的。建材大手4社と連携したほか、23年4月には素材生産会社と共同で、木材の伐採会社を東北地方に設立する予定だ。
協会が調達する材種は、スギの集成管柱とカラマツ集成梁が約90%を占める。現在の調達量は設立時の4倍だ。ヤマダホームズとそのグループが加わるなど、会員数は増えている。
同協会と提携している中国木材(広島県呉市)は、取引先からの需要拡大に対応するため、24年の稼働を目指して、秋田県能代市に集成材工場を建設中だ。