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BIMで設計期間を2カ月短縮

 清水建設の山口一彦原子力・火力本部長は、「指針の内容はとっぴなものではなく、従来の技術開発の延長で対応可能だ」としつつも、「技術力をさらに磨いて他社との差別化を図ることが重要になってくる」と気を引き締める。

 既設炉の再稼働に関しては、「沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働認可に関する技術的なノウハウがアドバンテージになる」(山口原子力・火力本部長)。運転延長については、廃炉に関する技術開発などで培ったコンクリートの経年劣化などの評価技術が役立ちそうだ。

 原発の新設を見据えた取り組みの一例が、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した施設設計業務の効率化。従来は原発メーカーが作成した機器の配置計画と、自社でつくった躯体の構造計画を、2次元の図面を基に手作業ですり合わせていたが、BIMを活用して干渉チェックや解析モデルの作成を自動化した。2年弱を要する設計期間の、2カ月ほどを短縮できる。「新しいやり方を取り入れることは、若手のモチベーション向上にもつながる」(山口原子力・火力本部長)