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コロナ禍でオフィス市況の低迷が続くなか、2023年は大型プロジェクトが次々と完成する。東京都心部だけで、前年比約3倍となる、約76万m2の新規オフィスが誕生する。テナントの獲得競争が激化することは必至だ。

 「この1年は渋谷駅桜丘口地区再開発といったビッグプロジェクトの完成を皮切りに、これまで進められてきた駅街一体型開発がようやく実を結ぶ」。そう語るのは、日建設計設計監理部門統括の児玉謙代表取締役副社長だ。

 渋谷駅桜丘口地区再開発は、100年に1度ともいわれる渋谷駅周辺で続く一連の大規模再開発群のうち、第5弾に当たるプロジェクトとなる。「職・住・遊」の複合拠点や歩行者デッキをつくり、駅の南西部に人流を生む玄関口とする計画だ。

 「完成した駅街一体型開発には今後、カーボンニュートラルやニューモビリティーといった要素が上乗せされていき、都市の実験場として次のステージに進むだろう」(児玉副社長)。渋谷の他に虎ノ門や池袋も今後の注目エリアに挙げる。

23年 渋谷駅桜丘口地区再開発
立体的な歩行者ネットワークを形成
渋谷駅南西部に広がる3街区、約2.6ヘクタールの敷地に4棟を一体的に整備。オフィス、商業、居住機能、都市機能を導入する。先行して再開発が進む周辺地区と連携し、アーバン・コアやデッキで立体的な歩行者ネットワークを構築する。都市計画道路や地下車路を整備することで、街の利便性や安全性の向上も図る(写真:日経アーキテクチュア)
渋谷駅南西部に広がる3街区、約2.6ヘクタールの敷地に4棟を一体的に整備。オフィス、商業、居住機能、都市機能を導入する。先行して再開発が進む周辺地区と連携し、アーバン・コアやデッキで立体的な歩行者ネットワークを構築する。都市計画道路や地下車路を整備することで、街の利便性や安全性の向上も図る(写真:日経アーキテクチュア)
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(写真:日経アーキテクチュア)
(写真:日経アーキテクチュア)
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❶東京都渋谷区桜丘町123他 ❷渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合 ❸日建設計、鹿島(A街区)、日建設計、ナスカ、日建ハウジングシステム、戸田建設(B街区)、日建設計、大岡山建築設計研究所、戸田建設(C街区)、古谷誠章+NASCA+日建設計(デザインアーキテクト、全体) ❹鹿島・戸田建設JV ❺23年11月 ❻─ ❼S造、一部SRC造・RC造(A街区)、RC造、一部S造・SRC造(B街区)、RC造、一部S造(C街区) ❽地下4階・地上39階(A街区)、地下1階・地上30階(B街区)、地上4階(C街区) ❾約25万4700m2

25年 池袋西口プロジェクト
池袋マルイ跡地に建設
池袋マルイの跡地に建設する複合ビル。地下街からダイレクトにつながる好立地に位置し、低層部を店舗、高層部をオフィスとする。総合設計制度を利用して地上面の広場空間を確保し、歩道を広げることでウオーカブルな街を実現し、マルイに替わる新たなランドマークとなることを目指す
池袋マルイの跡地に建設する複合ビル。地下街からダイレクトにつながる好立地に位置し、低層部を店舗、高層部をオフィスとする。総合設計制度を利用して地上面の広場空間を確保し、歩道を広げることでウオーカブルな街を実現し、マルイに替わる新たなランドマークとなることを目指す
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❶東京都豊島区西池袋3-28-4他 ❷ウエストゲート ❸ ❹清水建設 ❺25年12月 ❻─ ❼S造、一部SRC造 ❽地下4階・地上28階 ❾約4万1800m2

❶所在地 ❷発注者、事業者 ❸設計者 ❹施工者 ❺竣工時期 ❻オープン時期 ❼主構造 ❽階数 ❾延べ面積