2023年は高層建築への木造の適用が一段と広がりそうだ。技術整備が進み、鉄骨造または鉄筋コンクリート造と、木造とのハイブリッド化技術が普及。「部分木造」について社会の認知度が上昇したことが背景にある。
「まさか東京・銀座の一等地を、木造建築の屋上から見下ろす日が来るなんて、想像もしていなかった」
そう語るのは、木質耐火部材の開発や木造技術のコンサルティングなどを広く手掛ける建設会社、シェルター(山形市)の安達広幸常務。2022年12月までに、同社も参画した「銀座高木ビル」の構造建て方が完了。安達常務が現場を訪れたところ、そんな感慨が胸に迫ったと言う。
23年5月完成予定の同ビルは、最高高さ約55.7m、地下1階・地上12階建て。上から4層分を1時間耐火の木造とした立面混構造だ。
木質耐火構造が初めて大臣認定を取得した03年(枠組み壁工法による1時間耐火構造)以来、20年目の節目となる年に、部分的にではあるが、木造は建築基準法が「超高層」と見なす“高さ60m”に迫った。
同ビルの木造部分は、外装にも東京都多摩市産のスギ材を採用。ビルの上に木の箱が載ったようなデザインとなっている。木造部分は飲食店の入居を想定している。発注者の高木ビル(東京都港区)は発表資料で、部分木造化について「歴史ある銀座の地に多様性を取り入れ、新たな活気づくりの一助になることを目指した」と説明している。
ビルの上に木の箱が出現
❶所在地 ❷発注者、事業者 ❸設計者 ❹施工者 ❺竣工時期 ❻オープン時期 ❼主構造 ❽階数 ❾延べ面積