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BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を「BM」と「I」に分け、誰もが使いやすいツールにする──。維持管理でのBIM活用を目指して梓総合研究所(東京都千代田区)が開発中の「AIR-Plate」。その実力とは。

 「BIMソフトを操作するには専門的な技術や知識を要するうえ、データ量が膨大になると操作性が悪くなってしまうことが、維持管理段階でのBIM活用の課題だ」。梓設計(東京都大田区)が2021年に設立した梓総合研究所の墓田京平取締役はこう指摘する。

 安価で、誰でも簡単にBIMデータを扱える仕組みを構築できないか。梓総合研究所は22年に、MR(複合現実)技術を得意とするホロラボ(東京都品川区)、東京大学生産技術研究所と共同で、施設管理プラットフォーム「AIR-Plate(エアプレート)」の開発に着手した。

 AIR-Plateは、BIMを「BM(ビルディング・モデル)」と「I(インフォメーション)」に分解して別々のソフトウエアで管理することで、データを軽くしたり、扱いやすい形にしたりするというもの。それぞれのソフトウエアを連携させて、データを再統合することで、BIMを維持管理に適した形に変える仕組みだ〔写真1〕。

〔写真1〕構想から約1年で形に
〔写真1〕構想から約1年で形に
AIR-Plateについて説明する梓総合研究所の墓田京平取締役。AIR-Plateの開発は、梓総合研究所とホロラボ、東京大学生産技術研究所の野城智也教授、村井一特任研究員と共同で進めている(写真:日経アーキテクチュア)
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 AIR-Plateを活用すれば、エクセルやワードといったテキストベースのデータで施設情報をアップデートするだけで、建物モデルを変更できる。BIMソフトを直接操作する必要がないため、専門的な技術やBIMの知識がない施設管理者でも簡単に操作できるのが特徴だ。